木村拓哉ら“キムタク一家”はなぜ特別? ファミリーで芸能界を席巻するタレントパワー

 2023年1月11日放送『超ホンマでっか!?TV 木村拓哉レストラン&根に持つ芸人SP』(フジテレビ系)で、木村拓哉が料理をしているところを観て、ふとこう思った。「キムタクの家ではこんな光景が普通に見られるのか」と。

 出演者が回答した「木村さんにつくってほしい料理」のアンケートをもとに、ゲストシェフの木村がオリジナル料理「何回も変化する究極の味変丼」をふるまった同回。その一挙手一投足に共演者たちはメロメロになり、お笑い芸人のEXITは「EXITとしての(お笑いの)先輩は明石家さんまさんだけど、憧れているのは木村拓哉さん」と興奮を隠しきれなかった。

 「海苔は多め(にふりかけた方)が良いですか」というなんでもない問いかけも、木村がやると画になる。しかも、彼独特の間をためた話し方がよりムードを生みだす。わざわざ編集でその場面を残したということは、番組の編集マンや演出家も、そのなんでもない問いかけにグッとくるものがあったのだろう。単純に料理をしているだけなのにここまでいちいち格好良いと、家族は身が持たないのではないか……なんて思ったりする。木村が自宅で料理をしている様子を想像すると非現実的なイメージが広がるし、それを食べる妻・工藤静香、娘のCocomi、Kōki,の姿も特段美しいもののように感じる。

 工藤静香は2022年12月31日放送『第73回NHK紅白歌合戦』でゴージャスないでたちを披露。豪華な出演者のなかでも際立っていた。また、蛇のアクセサリーも工藤だから似合うものだった。2022年10月28日には、Instagramに写った足首の蛇のタトゥーが注目された。アートシーンでも活躍する彼女ならではのセンスは長年、そうやって各所で見ることができる。

 『紅白歌合戦』で工藤と親子共演した長女のCocomiは大学の音楽学部に在籍し、フルート奏者としてCDデビューも果たすなど頭角をあらわしてきている。次女のKōki,もホラー映画『牛首村』(2022年)で1人2役をつとめ、陰をもつふたりの女性を好演。またインフルエンサーやモデルとしても支持をあつめており、娘たちの輝度も年々増している。

 4人が独自のフィールドを築いている“木村・工藤一家”。家族内で鋭い感性を放つ人がいるからこそ、それぞれが刺激を受けたり、自分が磨かれたりするのだろう。その結果として“木村・工藤一家”は、個人としてだけではなく家族としても興味深い展開をみせるようになった。

 Cocomi、Kōki,はかつてInstagramのストーリーで「G(ゴキブリ)が出ました」「(ゴキブリの)処理係はいつも父か私です@koki」と親近感がわくような投稿をしたり、ライブ配信で強い女性像で語られがちな母・工藤について「むっちゃ強いラスボスみたいに描かれちゃってるから。そんなに強いんだ」「そうやって書く前に、1回、マミーに会ってほしい。そうしたら本当に分かるから」と話したり、決して浮世離れした一家ではないことを伝えていた。

 それでもやはり、木村拓哉は“キムタク”であり、工藤静香は歌手だけではなく芸術的な分野も含めて“アーティスト”であり、そしてCocomiはクラシカルな音楽に精通した奏者、Kōki,は現在注目を集めているインフルエンサー。家族全員が唯一無二のキャラクター性を持っている。それが、日本の芸能一家のなかでも、特異性が放たれている要因なのではないか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる