アンジュルム、10人体制で完走した1年間を締めくくる秋ツアー千秋楽 歴史を継承しながら育まれるグループの新たな魅力

アンジュルム、秋ツアー千秋楽レポ

 改名前、スマイレージ時代の楽曲である「私の心」をしっとりと歌い上げた後、メンバーが舞台袖へとはけてVTRへ。本公演ではアンジュルムが赤、スマイレージが水色と両グループを意識したステージ装飾が行われていたが、舞台上に再び登場したメンバーたちは「アンジュルムの今」を表すかのように、両グループの色をミックスした紫色の煌びやかな衣装に着替えていた。そして、「新・日本のすすめ!」を披露し、アンジュルムとスマイレージの楽曲を交互に披露するメドレーパートがスタート。「カクゴして!」「新しい私になれ!」「ショートカット」「汗かいてカルナバル」など、雰囲気の異なる多様な魅力の詰まった8曲を、曲ごとにメンバーを入れ替えてパフォーマンスした。

 その後、メンバーのキュートな魅力にあふれた「愛すべきべき Human Life」、ポップナンバー「スキちゃん」を披露した後、再びのMCへ。伊勢が「ライブ楽しんでますかー!」と会場に尋ね、ライブもいよいよ後半戦に差し掛かったことをアナウンス。川村文乃、佐々木、上國料が拍手や三三七拍子で会場の一体感をつくり上げた後、本公演の後半に突入した。裏腹な恋心を描いた「赤いイヤホン」、スターダスト☆レビュー の楽曲をカバーした「はっきりしようぜ」、人生の意味や真価を問いかける応援歌「限りあるMoment」を続けて披露。

 竹内が「ラストスパートです! 準備いいですか!」と会場に声をかけると、本編ラストに向けてメンバーたちの勢いが加速し、アンジュルムのライブでは定番ともいえるアップテンポなファンクナンバー「大器晩成」を披露した。本楽曲では竹内や上國料の歌に酔いしれるのはもちろんのこと、圧倒的な声量と安定感で〈どんな時代にも流されずに〉というフレーズを歌い上げる松本の歌も圧巻だ。続けて、疾走感あるロックナンバー「ドンデンガエシ」から、こちらもライブではおなじみの「46億年LOVE」で、最後まで会場を盛り上げながら本編が終了した。

 アンコールはビビッドでカラフルな衣装に身を包んだメンバーが、「I 無双 Strong!」「Uraha=Lover」を続けて披露。最後のMCでは竹内のリードにより、メンバーが1人ずつツアー千秋楽の感想を述べた。2回目の武道館にワクワクしていたという平山は「先輩の映像を見て、いつも以上にその偉大さを実感した」と語り、川名は「武道館のステージには何回か立ったが、エンドステージははじめて。すごくワクワク、楽しみにしていた」と本公演への期待値が高かったことを明かした。橋迫は感極まりながら「先輩方の力で武道館に立てていると思う。これからは自分の力で立てるように頑張りたい」と、今後への決意を語った。

 上國料や佐々木は在籍期間が長いこともあり、「(アンジュルムは)新しくなっていくけれど、歴史を大切に頑張っていきたい。いつの時代もアンジュルムが大好き」(上國料)、「後輩たちは自分の力ではないというが、そんなことはない。後輩がいるからアンジュルムは進み続けているなと感じる。改めてメンバーやファンに感謝したい」(佐々木)と、さらに俯瞰した目線でコメント。最後に竹内が、この1年間を10人体制で完走できたことに言及し、「心の底から楽しんでやってこれた1年間。来年もみんなで突っ走っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」とMCを締めた。そして、最新シングルから「Piece of Peace~しあわせのパズル~」を披露し、アンジュルムの秋ツアー最終公演が幕を閉じた。

 10人体制で初の武道館公演を行った6月のステージから、わずか半年以内に再び武道館の舞台へと上がったアンジュルム。今回の公演はタイトルに『ANGEL SMILE』とあるように、スマイレージとアンジュルムの歴史をたどりながら、現在の彼女たちの魅力を感じられる、またとない機会だったように思う。スマイレージ時代も含めると10年以上の活動の中で作り上げられてきた多様な楽曲の魅力に、確かな実力でそれらを表現しきるメンバーのパフォーマンス力の高さ。そして、それぞれが異なるキャラクターを持つ個性豊かなメンバー。どれが欠けても、現在のアンジュルムにはならない。そんなことを実感したツアーファイナルだった。 

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