Mr.Children、YUKI、ゲスの極み乙女。、アンジュルム、大原櫻子……5月11日リリースの注目新譜をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は5月11日リリースのMr.Children『Mr.Children 2011 - 2015』『Mr.Children 2015 - 2021 & NOW』、YUKI『Free & Fancy』、ゲスの極み乙女。『丸』、アンジュルム『愛・魔性/ハデにやっちゃいな!/愛すべきべきHuman Life』、大原櫻子『それだけでいい』をピックアップした。(編集部)

Mr.Children『Mr.Children 2011 - 2015』『Mr.Children 2015 - 2021 & NOW』

 今年デビュー30周年を迎えたMr.Childrenから2作のベストアルバムが到着。セルフプロデュースに移行し、生々しいバンド感を追い求め始めた「足音 〜Be Strong」からロンドン&LA録音による豊潤なサウンドメイクを堪能できるアルバム『SOUNDTRACKS』の楽曲、さらに今年発表された新曲までを収録。2作を通して、2011年以降の10年間の軌跡、そして、“今”のMr.Childrenを体感できる。特に心に響くのは、新曲「生きろ」。骨太なバンドグルーヴと強い感情が刻まれた歌、〈思いっきり笑える その日が来るまで〉という歌詞が共鳴するこの曲は、先が見えない社会を生きる我々を勇気づけると同時に、この先の4人のエンジンとなるだろう。両盤に収録された、30年間のキャリアから厳選されたライブ音源も必聴。(森)

5.11 W BEST ALBUM「Mr.Children 2011 - 2015」「Mr.Children 2015 - 2021 & NOW」Trailer

YUKI『Free & Fancy』

 2002年2月にシングル『the end of shite』でソロデビューを果たして、20年。アニバーサリーイヤーを迎えたYUKIから、新作EP『Free&Fancy』が届けられた。リード曲「鳴り響く限り」(アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』OPテーマ)は、ネオソウル以降のグルーヴを感じさせるトラックと生のギター、ホーンを融合させた、豊かな響きをたたえたダンスチューン。〈会いたいよ 世界は変わるんだ もう独りよがりではいられない〉もそうだが、コロナ後の世界のビジョンを普遍的なメッセージに結びつけたリリックにもグッと心を掴まれる。何よりも、自由な創造力に溢れたボーカルが最高。ポップは人を解き放ち、まだ見ぬ場所に導いてくれるーーそんなパワーが真っ直ぐに伝わってくる新たなアンセムの誕生だ。(森)

TVアニメ「ダンス・ダンス・ダンスール」ノンクレジットOP

ゲスの極み乙女。『丸』

 収録曲は「Best track」のみ。「猟奇的なキスを私にして」「ラスカ」「サリーマリー」など、これまでのキャリアから厳選された25曲の楽曲のパートを35分のトラックとして再構築した、前代未聞の“1曲だけのベストアルバム”だ。各楽曲のフレーズ、リリックを編集することで、この10年間の音楽的な変遷、紆余曲折あった活動のストーリーを描き出すセンスとテクニックは、まさに驚愕のひと言。言葉のインパクトだけではなく、メンバー個々のプレイヤビリティ、コードワークやリズムアレンジの妙を改めて実感できるのも、本作の聴きどころだろう。曲をスキップしたり、並べ替えることができない「Best track」、ぜひ最初から最後まで通して聴いてほしいと思う。(森)

ゲスの極み乙女。ベストアルバム「丸」(Live映像 Digest)

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