リュックと添い寝ごはん、ラブ&ピースの温もりに満ちた一夜 4人で新たなスタートを切る5周年ワンマンライブ
「今日は5周年ということで、高校の頃の曲をやろうかなと思っています」と初期曲を披露することを宣言すると、まずは「モノラル」を披露する。どっしりとしたミドルチューンで、今聴くとかえって新鮮だ。続いて演奏されたのは「SAYONARA」。こちらも音源化されていないレアな楽曲だ。ゆったりとしたリズムがフロアを気持ちよく揺らしていく。
ここからはフロントのメンバー3人も椅子に腰掛けてのアコースティックセット。松本の前にはキーボードが置かれている。「スタジオに遊びに来ちゃったぐらいのテンションで聴いてください」と始まったのは「23」。松本の弾くピアノの音色と抑えられたドラム、そしてふくよかなベースラインがどこか大人っぽいムードを演出する。さらに新作から「アップルパイ」を披露。松本いわく「結婚式に使ってほしいと思って作った曲」だそうで、そのとおり幸せなムードが詰まった1曲だ。
高校時代の思い出(修学旅行で松本と宮澤が一緒に写真を撮ったのだが、1年以上バンドをやっているのにやけによそよそしかったというエピソードなど)を語りつつ、またもゆるゆるとおしゃべりをしながら引き続きアコースティックセットで「ふたり暮らし」を披露すると、ここからは再びバンドセットで終盤戦へ。「5年間やってきて、いろいろな人に僕らの音楽を聴いてもらって、本当に嬉しい限りです」と改めて感謝を伝えつつ「僕は関心を持たれないことがつらくて。だからこそ僕はこうやって歌にしているんだと思う」と、ここまで音楽を続けてきた理由を明かす松本。「今世界では戦争だったり紛争だったり、人種差別だったり、つらい思いをしている人もたくさんいて。僕たちはその人たちを救えると思うことが大切だし、そういう思いを口にすることがその人たちを助けることだと思います。ラブ&ピースをこれからも僕たちは歌い続けます」と決意を言葉にすると、力強いドラムから「みんなのうた」が始まっていく。『四季』のハイライトのひとつとなっている、今のリュックと添い寝ごはんのメッセージが詰まった1曲だ。そしてライブはクライマックスへ向かう。「Night Gimmick」で観客を踊らせると、「あたらしい朝」と「ノーマル」というリュックと添い寝ごはんらしさを爆発させた楽曲でフィニッシュ。フロアをほっこりと温めて、4人はステージを降りていった。
アンコールでは、来年の全国ツアーを告知してメンバー自身も大盛り上がり。ぬんはまたしても絶叫している。そして何度も「ありがとう!」と伝えながら音楽とバンドへの賛歌「Thank you for the Music」をみずみずしく響き渡らせると、最後は『home party』と名づけられたこのライブにふさわしく「home」で締め。まさに“家”のような温もりに満ちたライブは、その雰囲気のまま終わりを迎えたのだった。
リュックと添い寝ごはん、出会いを経て深めた音楽への愛 新体制の変化と絆が詰まった『四季』に至るまで
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