Ayumu Imazu、さらなる飛躍を確信させる圧巻のステージ 1stアルバム『Pixel』を経たアーティストとしての進化

Ayumu Imazu、東阪ツアーレポ

 Ayumu Imazuが東阪ツアー『AYUMU IMAZU LIVE 2022 “Pixel”』を東京・Shibuya WWW X(11月23日)、大阪・UMEDA CLUB QUATTRO(11月25日)で開催した。配信シングル「Juice」でメジャーデビューしてから約1年3カ月。1stアルバム『Pixel』をタイトルに銘打ったこのツアーでAyumuは、ダンスとボーカルの両面において、さらにレベルアップしたステージを繰り広げた。

 ライブはバックダンサー4人のパフォーマンスからスタート。一瞬の暗転の後、Ayumuが登場し、高いシンクロ率を誇るダンスを見せつけ、会場を埋め尽くした観客から歓喜の声が上がる。1曲目は「Butterfly」。しなやかなビートとメロディ、〈愛の形など捨ててしまえ〉という刺激的なリリックが絡み合い、瞬く間にオーディエンスを魅了する。さらに「今日はみんなで楽しい時間を過ごしましょう!」という声とともに放たれたメジャーデビュー曲「Juice」でポップな解放感を演出。「ACCHI KOCCHI」ではキャッチーな振り付けを披露し、心地よい一体感を生み出した。

 ステージ上にはソファやランプ、バスケットボールなどが置かれ、まるでAyumuの部屋のような雰囲気。「やばいね、マジで。ちょっとネックレスからまってるんで、とりあえず直しますね(笑)」と話すと、観客も笑顔に。こういうフレンドリーなやりとりもまた、彼のライブの魅力だ。

 「今回は1stアルバムを引っ提げてのライブ。僕もいろんな思いがあるし、みんなもそれを共有してくれてると思います。最後まで楽しむ準備はできてますか!?」というMCの後も、アルバム『Pixel』の収録曲を次々とパフォーマンス。バウンシーに跳びはねるビートを乗りこなしながら「みんな手を挙げて!」「手拍子!」と呼びかけ、フロアの高揚感を引き上げた「Problem」。ラテンのテイストを感じさせるトラック、どこか官能的なボーカルが響き合う「Unpredictable」。〈前へ進め/恐れることは何も無いだろう〉という力強いフレーズを歌い上げたミディアムチューン「Stranger」(TVアニメ『SCARLET NEXUS』第2クールエンディングテーマ)。これらの楽曲を通してAyumuは、アルバム『Pixel』のクオリティの高さ、そして、さらに進化したステージングをしっかりと証明してみせた。「この日のために今年がんばってきた感じがすごくあって。アルバムが自分のなかの大切なピースになって、それをファンのみんなと一緒に共有できることを幸せに思っています」という言葉からも、このライブにかける強いモチベーションが感じられた。

 「今の時代は、見たいものだけを見て小さな幸せを見逃したり、自分の理想を追い求めすぎて人を傷つけることもある。そんな思いを込めた曲です」という言葉に導かれたのは、Ayumu自身が作詞・作曲を手がけたアルバムのバラード「破片」。お互いの理想がぶつかってしまい、少しずつ距離が出来てしまう二人の関係を描いたこの曲からは、シンガーソングライターとしての彼の資質が真っ直ぐに伝わってきた。ひとつひとつの言葉に濃密な感情を込めたボーカルはすべての観客の心に刻まれたはずだ。

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