桑田佳祐、JUJU、松下洸平、GENERATIONS、BiSH……11月23日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は11月23日リリースの桑田佳祐『いつも何処かで』、JUJU『花』、松下洸平『POINT TO POINT』、GENERATIONS from EXILE TRIBE『愛傷 / My Turn feat. JP THE WAVY』、BiSH『脱・既成概念』の5作品をピックアップした。(編集部)

桑田佳祐『いつも何処かで』

 ソロデビュー曲「悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)」から“同級生”のミュージシャンとともに制作した「時代遅れのRock’n’Roll Band feat.佐野元春,世良公則,Char,野口五郎」まで、ソロアーティストとしての35年のキャリアを網羅したベストアルバム。ヒット曲、代表曲だけではなく、時代に翻弄されながらも懸命に生きる市井の人々に寄り添い、エールを送る楽曲を中心に編まれている。根底にあるのは、常に大衆とともに歩み、“いつも何処かで”歌ってきたポップ歌手としての矜持と覚悟だろう。新曲「なぎさホテル」は神奈川県逗子市に実在し、映画『太陽の季節』の舞台となった洋式ホテルをモチーフにした楽曲。昭和の湘南の情景、かつての恋人と過ごした時間を追体験するかのようなノスタルジックなナンバーだ。(森)

桑田佳祐 - なぎさホテル(Full ver.)

JUJU『花』

 JUJUが通算42枚目となるシングルをリリースする。表題曲の「花」は、戸田恵梨香と永野芽郁がW主演を務める映画『母性』の主題歌。aikoやいきものがかりらの楽曲も手がける島田昌典のプロデュースによる本作は、静かなピアノから始まり、ストリングスを交えた壮大なサビへと展開していく、JUJUにとって久々の王道バラードといった趣き。優しいメロディと孤独を抱えて生きる人を包み込むような歌声が、歌詞に込められた〈私は私の場所で咲く〉という力強いメッセージを際立たせ、まさにバラードの名手の面目躍如といった楽曲だ。カップリングには、大沢伸一とタッグを組んだハウス仕立てのダンスナンバー「WATCH WHAT YOU BE」と、もんた&ブラザーズの名曲「ダンシング・オールナイト」のカバーを収録。(渡部)

JUJU 『花』 -映画『母性』主題歌 Official Teaser

松下洸平『POINT TO POINT』

 再デビュー後に発表した「つよがり」「あなた」「KISS」「Way You Are」などを含む1stフルアルバム。松尾潔、UTA、ESME MORI、Mori Zentaro、インディーズ時代から交流があるカンノケンタロウらと制作した楽曲は、R&B、ネオソウル、ファンク、ゴスペルなどをルーツミュージックに根差しつつ、現代的なJ-POPとして機能している。中心にあるのは、聴き取りやすさと心地よいグルーヴを併せ持ったボーカルだ。軽快なギターカッティングを軸にしたピュアなラブソング「KISS」、〈大好きだからサヨナラさ〉と歌うミディアムチューン「エンドレス」、“貴方の体温”を切なく滲ませるバラード「体温」は松下自身が作詞・作曲を担当(「体温」は平野晋介との共作曲)し、シンガーソングライターとしての魅力をアピールしている。(森)

松下洸平 - Way You Are(Music Video)

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