秋山黄色、新曲「SKETCH」で描く“身近な他者”の存在 『僕のヒーローアカデミア』のキャラクターも連想させるEDテーマ

秋山黄色「SKETCH」で描く“身近な他者”

 そして第6期スタートとともに解禁された「SKETCH」は、固い信念を持つ人の目線ではなく、そういった人をそばで見守る人の目線の歌だった。信念を持つ人は自分の芯にあるそれを信じるがあまり、時に周りが見えなくなり、自分自身さえも見失ってしまうことがある(『ヒロアカ』主要キャラクターのような未成年ならばなおさら)。そんな時に、今、自分がどこにいるのかを教えてくれる“身近な他者”の存在をこの曲は思い出させてくれる。楽曲提供に際して、秋山は「ちっぽけだけど大切な「立ち止まる」という事を書きました」とコメントしているが(※1)、そういった曲を書く上で(タイトルにもある)スケッチというモチーフは非常に適切だ。人の手によるスケッチは必ずしも正確で写実的ではなく、いいところが少し誇張されていたり、悪いところが描かれていなかったりする。そこには「私からはあなたがこんなふうに見えるんだよ」という描き手の気持ちが少なからず乗っている。人の想いを繋ぎとめるのはやはり人の想いであり、時にそれは相手を立ち止まらせるほど強いものになり得るということだろう。

 歌詞の中で特にインパクトがあるのは、サビ冒頭の〈「居なくならないでね」/「君こそね」〉というフレーズだ。今にも消えてしまいそうなほどの危うさを感じさせる人に対する切実な願いと、永遠など存在しないし、いつか必ず別れなければならないと承知しながらの返答。鍵括弧で括られた台詞調の歌詞が、緑谷と死柄木、緑谷と爆豪、緑谷とオールマイト……様々な“二人”を連想させる。敵(ヴィラン)のトガヒミコとトゥワイスにフォーカスした第116話(第6期第3話)の特殊エンディングが話題になったのも記憶に新しい。歌詞表現の余白を生かした演出と言えるだろう。そしてもちろん、聴き手が思い浮かべるのはアニメのキャラクターに限らず、様々な人の生活に寄り添う言葉にもなっている。なお、この歌詞はその後〈能天気に約束して肩を叩く/きまってどちらかが破るのさ/今回もまた僕じゃなかっただけ〉と続くが、ラスサビでは少し変化があり、希望の兆しが見える表現になっている。ぜひフルサイズで聴いてここにあるメッセージを感じ取ってほしい。

『僕のヒーローアカデミア』ヒロアカ6期第3話(通算116話)特殊ED映像/EDテーマ「SKETCH」秋山黄色/MY HEROACADEMIA 6th season , Vol.116 ED

※1 https://heroaca.com/music/music_6th/

秋山黄色「SKETCH」
秋山黄色「SKETCH」(通常盤CD)

■リリース情報
秋山黄色「SKETCH」
2022年10月8日(土)0時〜先行配信
2022年11月23日(水)CDリリース

■番組情報
『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第6期
2022年10月1日(土)放送開始

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