原 由子、鎌倉での思い出やおすすめスポットを熱弁 “サザンオールスターズの奥深い歴史”が感じられるエピソードも

 昨日10月18日に放送された『マツコの知らない世界』(TBS系)に、サザンオールスターズの原 由子がゲストとして出演した。原がテレビのバラエティ番組に出演したのは、今回が12年ぶりで、原のパーソナルな一面に迫ることができる貴重な機会となった。そして番組の最後で原は、本日19日にリリースされた31年ぶりのオリジナルソロアルバム『婦人の肖像 (Portrait of a Lady)』に収録された新曲「鎌倉On The Beach」をテレビ初歌唱した。

 楽曲のタイトルに表れているように、同曲のテーマは鎌倉である。サザンオールスターズ、および公私のパートナーである桑田佳祐、何より原自身にとって、鎌倉はとても大切な場所であり、今回の番組では原からマツコ・デラックスへ鎌倉(&湘南)に関するプレゼンが行われた。このプレゼンは、鎌倉の魅力を紹介するものでありながら、同時にサザンや桑田、原の歩みを伝える内容となっていて、改めて鎌倉が彼女たちにとっていかに重要なルーツであるかが伝わってきた。この記事では番組の模様を振り返りながら、新曲「鎌倉 On The Beach」に込められた想いについて迫っていく。

 番組の冒頭では、鎌倉・湘南を舞台とした切ない恋愛模様が歌われる「夏をあきらめて」をはじめ、数多く発表されている鎌倉・湘南にまつわるサザンの楽曲や桑田のソロ楽曲が紹介された。例えば、サザンのデビュー曲「勝手にシンドバッド」は、〈砂まじりの茅ヶ崎〉という歌詞があることから茅ヶ崎の歌だと思われることが多いが、〈江ノ島が見えてきた  俺の家も近い〉という歌詞が示しているように、実は“鎌倉から茅ヶ崎への帰りがけの海沿いの風景を歌った曲”であることが説明された。また、原がメインボーカルを務める「鎌倉物語」のレコーディング中、原は第一子の妊娠中で体調を崩してしまったが、本人の希望でベッドの横までマイクを引いて歌録りを行ったという。まさに、原の同曲に対する深い思い入れが伝わってくるエピソードだ。

 続いて、原がパワーをもらっているという鎌倉のグルメを紹介。湘南名物といえば真っ先に“しらす”が挙げられるが、通の原は“いわし”料理をプレゼン。スイーツではチーズケーキを紹介。それぞれを試食したマツコから、「鎌倉は敵に回さないほうがいい」というパンチラインが飛び出した。何より、鎌倉の魅力を楽しそうに話す原の豊かな表情がとても印象的だった。

 番組後半では、多くのパワースポットが存在する鎌倉における“絶景ハイキングコース3選”が紹介された。原は、サザンのファンクラブの会報誌『代官山通信』にて「原坊の原さん歩」というコーナーを持つほどのハイキング好きであり、特に日々、鎌倉・湘南のハイキングコースを歩くことで自然のパワーをもらっているという。20以上存在する鎌倉・湘南のハイキングコースから厳選した3つを紹介したこのプレゼンには、原の散歩愛と鎌倉・湘南愛がめいっぱいに詰まっていた。また、それぞれのハイキングコースの魅力と合わせて、歩きながら聴いてほしいサザンの鎌倉ソングも紹介。天園ハイキングコースとセットで紹介された楽曲は、サザンの「愛の言霊 〜Spiritual Message〜」。原は、〈過去に多くの人が  愚かな者が  幾千億年前の星の光見て/戦をしたり  罪犯したなら  ぼくもまたそれを繰り返すのか〉というラップパートの歌詞を挙げながら、昔は戦場だった鎌倉が背負う悲しい歴史について触れた。また、鎌倉広町緑地ハイキングコースを歩きながら聴いてほしい楽曲として紹介されたのは、弦編曲として原も制作に携わった桑田のソロ曲「古の風吹く杜」。原は、〈祭りのあとの切なさに  光と影とが寄り添う/そんな街とは/矢羽放った戦の舞台〉という歌詞を挙げて、ぜひハイキングを通して鎌倉の歴史に触れながら、この街の光と影を感じてほしいと伝えた。

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