桑田佳祐『ひとりROCK IN JAPAN Fes』が大盛況 キャリアを網羅するセットリストで伝えたソロ35周年の充実ぶり

桑田佳祐『ひとりROCK IN JAPAN』が大盛況

 今年ソロ活動35周年を迎える桑田佳祐が11月から12月にかけて5大ドームを含む全国ツアー『桑田佳祐LIVE TOUR 2022「お互い元気に頑張りましょう!!」』を開催。さらに11月23日にはベストアルバム『いつも何処かで』をリリースする。

 これは9月3日放送のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM/JFN系)で発表されたもの。今年6月に“SKGs”(Sustainable Kuwata Keisuke’s Goals)=“桑田佳祐の持続可能な目標”を打ち出し、「これからも楽曲制作を」「全国の皆様とのアツい逢瀬を」など今後の音楽活動に向けたビジョンを語っていた桑田だが、このプロジェクトが本格的に始動したというわけだ。

 また、この放送のなかで『ひとりROCK IN JAPAN Fes.生歌スペシャル!!』と題したスペシャルプログラムがオンエアされた。

 桑田は8月に出演を予定していた『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』直前、新型コロナウイルス感染に伴い出演キャンセル。さらに台風の影響で出演日の公演自体が開催中止となった。今回の放送では、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』のステージを再現。リハーサルで収録していたバンド演奏の音源とともに桑田が生歌ライブを披露し、全国のリスナーを熱狂させた。

 最初に披露されたのは「Soulコブラツイスト〜魂の悶絶」。昨年リリースされたEP『ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し』(通称“ごはんEP”)にも収録された桑田佳祐の新たなアンセムだ。ライブの臨場感を想起させるバンドサウンド「『ROCK IN JAPAN(FES)』5日目ありがとネ! このステージに立ちたかった!」という本番さながらのMCも楽しい。

 「みなさんのご厚意に甘えまして、『ROCK IN JAPAN(FES)』のセットリスト、ほんの一部なんですけど、やらせていただこうということで」「DJ和、よかった! ヤバイTシャツ屋さんよかった! WANIMAも最高!」という挨拶、ラジオリスナーからの感謝のメールを読み上げた後、KUWATA BANDの2ndシングル曲「MERRY X'MAS IN SUMMER」(1986年7月リリース)へ。ポップアーティスト・桑田佳祐の先鋭性を体現するナンバーだ(80年代、本格的なレゲエを導入したヒットソングは皆無だったと言っていい)。間奏パートで「今ここでサンタクロースが目の前を通っています。そういう演出でした」という裏話(?)を挟み、エンディングでは「ジングルベル」の旋律を響かせる。オーディエンスの歓声を交えた“ステージング”はまさにリアルライブだ。

 さらにシックで懐かしいメロディと60〜70年代の洋楽ポップスの雰囲気を織り交ぜた「可愛いミーナ」(シングル『東京』/2002年)を挟み、「次の曲いってみようか! (斎藤)誠!」と印象的なギターリフに導かれたロックンロール「真夜中のダンディー」(シングル/1993年)へ。ダイナミック&メロウな管楽器を交えた生々しいアンサンブル、「この夏の『ROCK IN (JAPAN)FES』は ああ台風だった」というアドリブを含め、この瞬間だけのパフォーマンスが繰り広げられた。バンドメンバーは斎藤誠(Gt)、中シゲヲ(Gt/ザ・サーフコースターズ)、片山敦夫(Key)、河村“カースケ”智康(Dr)、角田俊介(Ba)、山本拓夫(Sax)[に代わって鈴木圭(Sax)]、寺地美穂(Sax)、菅坡雅彦(Tp)[に代わって鈴木正則(Tp)]、TIGER(Cho)、小田原“ODY”友洋(Cho)。日本の音楽シーンを支える凄腕ミュージシャンたちによる演奏も絶品だった。

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