福原遥、連続テレビ小説『舞いあがれ!』でファン層拡大なるか? 歌と演技に見る“声”の魅力
現在放送中のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で主演を務める福原遥。作品の評判は上々であり、ここから本格出演が始まる福原の登場でさらに盛り上がることは間違いないだろう。すでに主演ドラマや映画も数多く、人気を獲得している福原が、人を惹きつけている魅力の1つとしてその声がある。甘さと柔らかさを備えた声質でこれまでも様々な役柄に憑依し、印象に残るキャラクターを演じてきた。
役者としての出世作となった2019年のドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』では不安定な女生徒を演じ視聴者をざわつかせる役割を果たした。同年公開の主演映画『4月の君、スピカ。』では少女漫画原作のヒロインを瑞々しく演じ、『羊とオオカミの恋と殺人』では可憐さの裏に殺人衝動を隠した女性を飄々と演じるなど、役柄の幅はかなり広い。
これらの多彩なキャラクターは彼女の持つ“癒し”要素の強い声が宿ることで、その人物像が色づいていく。その声から発せられる台詞に対してひどく苛立ったり、愛おしく思えたり、視聴者に与える感情の振れ幅もとても大きい。
そしてその”声”の魅力は音楽の分野でも強く発揮されている。子役時代や声優として演じたキャラクターの楽曲をリリースしてきたが、2019年よりソロ名義での歌手活動を開始し、今年6月には1stアルバム『ハルカカナタへ』をリリースした。Rin音やOKAMOTO’Sとのコラボや豪華な作家陣の提供も目をひくが、その全てが福原のボーカリストとしての魅力を際立たせている。
変態紳士クラブのGeGがプロデュースを手がけた「道標 feat.Hiplin & Rin音 (Prod. GeG)」では、福原によるラップを聴くことができる。印象的なウィスパーボイスはメロウな曲調によく馴染む。また蒼山幸子(ex.ねごと)が提供した「シャボンのひと」で聴かせる声を絞るような歌はとても凛々しい。歯切れの良いリリックとダンサブルなビートにもフィットしている。
このように様々なサウンドに対して柔軟に自分の声を適応させる巧みなボーカル表現を堪能できるのが『ハルカカナタへ』だ。時にはオートチューンやデュエットでの歌唱をまじえてその声の魅力を演出している。特徴的な声質ゆえ、”甘くてキュートなポップソング“で一点突破もできたはずだが、抜群のコントロール力で多彩な楽曲を作り上げている。