Snow Man 佐久間大介、歌やダンスにおいても“切り込み隊長”である所以 思い切りのよさで形作る世界観
佐久間のこの思い切りのよさは、ダンスパフォーマンスにも見ることができる。ダンスプラクティス動画などでしばしばキャップのつばを咥える動作をしたり、「Crazy F-R-E-S-H Beat」の〈隠したところも見せてDesire〉で衣装をまくって腹筋を見せるのが振り付けの指示ではなく佐久間の独断であることが『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で同曲の振り付けを担当した岩本照に暴露されていたが、こういう振り切ったアクションが出てくるのは「恥ずかしい」や「ためらう」ような回路を断ち切るほどパフォーマンスに没入しているからではないかと思う。アクロバットにも定評のある佐久間だが、アクロバットなどは特に、躊躇や迷いがあると怪我をする可能性のある危険なものだろう。
ためらったほうが危ないこと、中途半端なほうが格好悪いこと。それを実感として理解しているからこそ、ダンスにしろ歌にしろ表情の見せ方にしろ振り切ったものが出せるのだろうし、ステージの上ではそういうパフォーマンスこそが映えるもの。
それが『Mania』で顕著なのは、やはり「ADDICTED TO LOVE」ではないだろうか。Snow Manのダンストリオ・岩本、ラウール、佐久間によるこのユニット曲は、3人にスポットライトが当たったその瞬間、会場の雰囲気をすべて塗り替えるような強い世界観がある。振り付けした岩本があえてフリー部分を多くしたこの曲で、佐久間の突き抜けた、ある種の解き放たれたような高揚感のあるパフォーマンスを存分に味わうことができる。
昔は引っ込み思案だったという佐久間。今でこそ元気いっぱいなイメージだが、その陰には、グループのため、自分のために前に出ようと決めた明確な意思がある。だからこそ、元気さの中に「何を求められているか」「どう見えているか」を察知する繊細さが見え隠れする。求められていることを敏感に汲み取り、それを思い切りのよさで実現する。Snow Manの切り込み隊長は、たぶん、そういうふうにできている。
そしていよいよ明日、10月1日からは『Snow Man LIVE TOUR 2022 Labo.』がついにスタートする。ここまでメンバーの魅力をあれこれ分析してきたものの、言葉だけでは到底その魅力は表しきれない。チケットを手に入れた幸福な方々は、ぜひ目で耳で、Snow Manの真髄を味わってきていただきたい。
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