Snow Man ラウールの優れた身体コントロール力 画面越しにも伝わる美しさと力強さ

 2ndアルバム『Snow Labo. S2』の発売、全国8都市を巡るツアー『Snow Man LIVE TOUR 2022 Labo.』の開催を控え、新曲や新たなパフォーマンスへの期待が高まっているSnow Man。リアルサウンドでは、昨年に開催され、今年5月に映像作品としてリリースされた『Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania』(以下『Mania』)をもとに、メンバー一人ひとりの個性やパフォーマンスにフォーカスする短期連載を展開中だ。第3回は最年少にしてその存在感でグループを牽引するラウールに注目する。(編集部)

ラウールのパフォーマンスにおける“Mania”なポイント

 身長190cm、股下96cmの稀有なスタイルの持ち主が、9人のセンターに立つことで現れる山型の美しさにはため息が出る。他メンバーも高身長揃いのSnow Manだが、規格外のスタイルを持つメンバーを1人有しているということは、それだけでグループの格を一つ上げる価値があると言っても過言ではない。

 2019年、15歳の時にSnow Manに加入したラウールは、その後ぐんぐん身長を伸ばし続け、2021年時点でついに190cmを突破し、ジャニーズ事務所内でも最長身となった。その存在感は、ライブのOvertureでメインステージのギミックが開き、シルエットで映し出された時点から圧巻の美しさを発揮し、1曲目の「D.D.」でいきなり炸裂する。ただ立っている、ただ歩いている、それだけで人はこんなにも華々しくなるものかと目を奪われるし、胸や肩で打つヒットには、画面越しにさえ空気が揺れるような力強さがある。

 「Hip bounce!!」の冒頭、向井康二の「ラウールのダンスショータイム!」の掛け声で始まる数秒のダンスタイムにも釘付けにされる。この稀有な肢体を高い技量で動かすと、ここまで圧倒的な存在感を放つものかと感嘆するばかりだ。

 ラウールの身体は、まさしくギフトと呼ぶべき素晴らしいものだ。だが、当然ながらスタイルの良さだけでは、こうも美しく、注目を集める存在にはなれない。その身体を隅々まで掌握し、どのように立ち振る舞えば美しく見えるのか研究し、イメージ通りに動かすための試行錯誤なしに、そのポテンシャルは発揮されない。

 ことダンスにおいては、体が大きいほうがダイナミックで目立ちやすいメリットがある半面、手足が長いと身体のコントロールが難しく、伸ばすべきところを伸ばしきれていなかったり、上げるべきところが上がり切っていなかったりすると、かえって悪目立ちしてしまうリスクもある。それを踏まえてラウールのパフォーマンスを見れば、彼がいかに自らの身体を自由自在に操っているかがわかるだろう。

 その身体コントロール力が発揮されるのはダンスだけではない。2019年、2020年、2021年、2022年の『東京ガールズコレクション』、今年6月には「Yohji Yamamoto POUR HOMME SPRING SUMMER 2023 COLLECTION」にも出演し、着実にモデルとしてのキャリアも積み重ねている。

ラウール「TGC SPECIAL STAGE/東京ガールズコレクション2022 SPRING/SUMMER」
YOHJI YAMAMOTO pour homme S/S2023 Show Footage

 その映像から感じられるのは、ランウェイに現れた瞬間から空間を支配する世界観。その規格外の身体で作り出す、一般人には到底真似できないポージングと、何を見、何を考えているのか掴めない得体のしれない表情によって、まるで人智を超えた存在のように感じられるのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる