Snow Man 向井康二の存在がグループのパフォーマンスを自由にする メリハリとギャップを生み出す“万能調味料”

 2ndアルバム『Snow Labo. S2』の発売、全国8都市を巡るツアー『Snow Man LIVE TOUR 2022 Labo.』の開催を控え、新曲や新たなパフォーマンスへの期待が高まっているSnow Man。リアルサウンドでは、昨年に開催され、今年5月に映像作品としてリリースされた『Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania』(以下『Mania』)をもとに、メンバー一人ひとりの個性やパフォーマンスにフォーカスする短期連載を展開中だ。第5回は向井康二に注目する。(編集部)

向井康二のパフォーマンスにおける“Mania”なポイント

 Snow Manというグループをひとつ自由にしてくれる存在。それが向井康二なのではないかと思う。

 関西ジャニーズJr.出身の向井は、バラエティ番組『まいど!ジャーニィ~』(BSフジ)のレギュラーを約6年半務めるなど、培ってきたバラエティの基礎力が高い。だが、ここではただ単純に「向井はおもしろい」と言いたいわけではない。例えばトークを盛り上げたい時、オチをつけたい時。投げたボールを果敢にレシーブする向井のような存在が1人いることで、他のメンバーのフットワークも軽くなる。それはそのまま「これをやってみようかな」と新たな発想を生み出すことにも繋がっていくのではないかと思う。

 『Mania』の中で例を挙げるのならば、深澤辰哉、向井、宮舘涼太の3人にまつわるキーワードを歌詞に盛り込んだユニット曲「P.M.G.」、向井がセンターステージに走りだし、「ヘロヘロやねん!」という唐突な愚痴から「ハローハローやねん♡」と繋げていく「HELLO HELLO」への曲振りの時間。「Crazy F-R-E-S-H Beat」の曲中で、向かい合った渡辺翔太にそっけなくされて呆然とした表情を見せるコミカルな掛け合い、あるいはツアー期間の長きに渡りMCタイム中に繰り広げられた、向井と佐久間大介による壮大な(?)ラブストーリー「消えたさくこじ」等々……向井がいることによって、こういった「遊び」が生まれる。そしてその「遊び」が、コンサートをより充実したものにしていく。

Snow Man 【ユニット曲】P.M.G.・360m・ADDICTED TO LOVE YouTube Ver. From LIVE TOUR 2021 Mania

 何かの物事の魅力を示すのには、その良さを一辺倒に主張するより、緩急をつけることでその特徴を際立たせるのが効果的だ。ライブのセットリストに例えるなら、ずっとクールな曲ばかりが続くと単調になってしまうが、途中にコミカルな曲やポップな曲が挟まれば、キメキメの曲のかっこよさがより際立ち、観客を飽きさせないメリハリのあるステージになる。ライブにおいてもSnow Manというグループにおいても、向井はそういうメリハリを創り出す起点でありハブになっている。

 ギャップがあるのは向井自身にも言えること。コメディ担当のイメージが強い向井だからこそ、パフォーマンスになった時に見せるクールさにやられる。「Super Sexy」ではアンニュイな表情を見せるし、「Secret Touch」では特徴的なハスキーボイスを切なく響かせる。

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