JIROが語る、尽きることないプレイヤーとしての刺激や発見 GLAYがライブやツアーを大切にする理由も明かす

GLAY JIRO、プレイヤーとしての刺激

一人ひとりの気持ちを受け止めて、しっかりエンターテインメントしたい

GLAY JIRO(写真=藤本孝之)
ーーさらにファンクラブツアーのために制作された「WE♡HAPPY SWING」を収録。2022年7月31日の千葉・幕張メッセ公演でのライブ音源ですね。

JIRO:この曲のベースは意外と忙しいんですよ(笑)。次の展開を頭で考えている余裕がないので、完璧に体に馴染ませた状態にしなくちゃいけなくて。まあ、どの曲もそうなんですけどね。

ーーなるほど。ファンクラブツアーの手ごたえはどうでした?

JIRO:今回は3会場(大阪・大阪城ホール、宮城・ゼビオアリーナ仙台、千葉・幕張メッセ国際展示場)だけだったので、地元を離れて来てくれた方が多かったんですよ。覚悟を持って会場まで来たという人もいたでしょうし、僕がやっているラジオ(『BUGGY CRASH NIGHT』FM802)に「家族に“日頃がんばってるんだから、行ってきなよ”って背中を押してもらいました」というメッセージを送ってくれた方もいて。『FREEDOM  ONLY』のツアーもそうでしたけど、この状況でツアーをやるのは、只事じゃないんですよね。僕自身もツアー中は朝起きるたびに「今日も体調ばっちりだ。よかった」と思いながら過ごしていましたしね。

ーーファンに対する思いも年々強くなってるのでは?

JIRO:もちろん。チケット1枚の値段の重みも昔より感じられるようになりましたし、ファンの人たちも大人になって、家庭ができたり、仕事で重要な立場になったり。「ストレス発散を兼ねてライブに行きます!」みたいな声もあるし、一人ひとりの気持ちを受け止めて、しっかりエンターテインメントしたいなと思うので。

ーー7月13日の大阪城ホール公演は、メジャーデビュー後、通算1000回目のライブ。この数字に対しては、どう感じていますか?

JIRO:うーん、正直、あまりピンと来てないですね。1000回目でも1001回目でも、自分たちもファンも納得できるライブをやることが大事だし、数は関係ないのかなと。当時からのファン、昨日ファンになってくれた人もいると思うけど、熱量も計れるものではないですしね。

ーー確かに。デビュー後初のコンサートは1994年7月31日、会場は東京・渋谷のON AIR WEST(現Spotify O-WEST)でしたが、記憶に残っていますか?

JIRO:それもあまり覚えていないんですよ(笑)。それよりも初期のドラマーのNOBUMASAが脱退を発表した日清パワーステーションでのライブのほうが覚えていますし、いつのライブというより、あくまでもライブの内容によるのかなと思いますね。

ーーJIROさんが中心になってセットリストを決めるようになったのはいつ頃ですか?

GLAY JIRO(写真=藤本孝之)

JIRO:GLAYが独立したときですね。2006年の武道館ライブ(『GLAY in BUDOKAN 2006 ROCK'N'ROLL SWINDLE』)なんですけど、「セトリ、どうする?」みたいな雰囲気だったので、「じゃあ、俺がたたき台を作るね」というのがはじまりだったと思います。その前はライブ制作の舞台監督がセトリのたたき台を作って、メンバーの意見を加えながら決めていたんですよ。そのときも率先して自分が意見のとりまとめをやっていたので、自然な流れだったのかなと。メンバー以外のスタッフがセトリを作っていたのは外からの視点や意見を受け入れていこうということだったんですけど、発信するメンバーの気持ちもやっぱり大事ですからね。

ーー曲の数はどんどん増えているし、観客の全員を満足させるセットリストを組むのはすごく難しそうです。

JIRO:アルバムのツアーであれば、アルバムの収録曲プラス、GLAYが今やりたい曲、ライブのアンケートで人気のある曲を混ぜる形が定番ではあるんですけどね。僕のところに「この曲をやってほしい」とリクエストを送ってくれる人がいるんですけど、自分が好きな曲をやってるわけじゃないんですよ(笑)。「この曲も確かに面白いな」と思うこともあるので、意見はいったん全部受け止めます。それにしても今回のファンクラブツアーは難しかったですね。新曲(「クロムノワール」「GALAXY」)をやる以外は自由度が高かったので。まず、メンバーにやりたい曲を4曲ずつ出してもらって、新曲を加えて。さらにテイストが被っている楽曲をほかの曲に入れ替えたり。なかなか大変だったんですけど、「めちゃくちゃよかった」「想像以上だった」という意見が大半だったので、安心しました。ただ、「ヒット曲がぜんぜんなくてがっかりした」という意見の方もなかにはいました。「ファンクラブツアーなので、むしろマニアックな曲をやってもいいかなと思ってたんですよ」と思いつつ、「でも確かに、もうちょっとシングルヒットをやったほうがよかったかな」という気もしてきて。

ーー少数意見にもちゃんと耳を傾けているんですね。

JIRO:そうですね。どういうバランスだったらみんなが納得してくれるのか常に考えているし、いろんな意見を受け止めつつ、それを次につなげる過程が好きなんです。

ーーライブの最中もオーディエンスの反応が気になったり?

JIRO:そこもコロナ禍になって変わってきていて。以前はイントロが始まったときの歓声のボリュームで反応がわかったんですよ。今は声が出せないじゃないですか。特にミディアムテンポの楽曲は演奏に集中していることが多くて、お客さんの反応を見る余裕がなかったりするから、いまいちリアクションがわからないこともあって。ライブ後にアンケートを読んで安心することが多いですね。まあ、次のツアーはどうなるかわからないですけど。バンドのムードによっては、「今回は攻めたい」ということになるかもしれないし。

ーーオリジナルアルバムと同じように、ライブのセットリストもバンドの意思表示ですからね。

JIRO:そうですね。GLAYはまったく活動の足を止めていないし、ライブで攻めることも大事だと思っているので。最近のツアーでは「SHINING MAN」(アルバム『BAD APPLE』)をよくやっているんですけど、インパクトを残していて。そういう感じで今のGLAYがやりたいことを提示していきたいとも思っています。

ーーGLAYは2020年以降も、いろいろなスタイルでライブを継続し、新作も発表し続けていて。メンバー、チームとして活動を止めないという意思を示し続けているのは本当に素晴らしいと思います。

GLAY JIRO(写真=藤本孝之)

JIRO:じつは今年の春にもホールツアーを予定していたんですけど中止したんです。すごく残念でしたけど、メンバー、スタッフを含めて、全国を回りたいという気持ちはずっとあって。ファンのみなさんの近くまで行きたいのと同時に、GLAYのチームとして士気を高めて、強度を保つためにもツアーをやることは大事なことなんですよね。話が戻りますけど、だからこそやった本数は関係ないんです。今のチームで1本1本、強力なライブを作っていくことがいちばん大切なので。

ーー一貫しているんですね、そこは。メンバーのみなさんもそれぞれモチベーションを保っていると思いますが、4人で意思の疎通を図ることはあるんですか?

JIRO:いや、確認し合うということはないですね。GLAYはすごく風通しが良くて、メンバーが何をやっているか、すぐわかるんですよ。なのであえて集まって話すことはほとんどなくて。それは昔から変わらないですね。

ーー10月には2002年にリリースしたアルバム『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』の収録曲全曲を披露するホールツアーも開催。次のアクションも期待しています!

JIRO:ありがとうございます。制作も続いているし、「Only One,Only You」をいい形で披露する場も設けようと思ってるので、楽しみにしていてください。

GLAY『Only One,Only You』
■リリース情報
GLAY
60th Single『Only One, Only You』
発売日:2022年9月21日(水)発売
購入はこちら

<形態>
【CD+Blu-ray】¥2,750(税込)
【CD+DVD】¥2,750(税込)
【CD Only】¥1,650(税込)

■ツアー情報
『GLAY Anthology presents -UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY 2022-』
10月9日(日) 神奈川 よこすか芸術劇場
10月10日(月・祝) 神奈川 よこすか芸術劇場
10月17日(月) 愛知 名古屋国際会議場 センチュリーホール
10月19日(水) 千葉 市川市文化会館
10月20日(木) 千葉 市川市文化会館
10月24日(月) 静岡 アクトシティ浜松 中ホール

GLAY Anthology presents -UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY 2022- 特設サイト

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