BE:FIRST、1stアルバム『BE:1』で体現する“個”の輝き 試行錯誤重ねた新曲群を中心に注目ポイントを探る

 メッセージ性が特に強い楽曲をアルバム後半に位置づけたのにも理由がありそうだ。デビューシングル収録の「Kick Start」のアンサーソングとして冠番組『BE:FIRST TV』で制作された「Grateful Pain」は、7人が「自分たちに刺さるように書いている」と話すように、メンバー本人の過去と現在を彷彿とさせる言葉が並ぶバラード。アルバム収録にあたってアレンジも変わり、楽曲に新鮮さももたらしている。一方、初のラブソングである「Message」は、LEO曰く「どんな恋心にも寄り添えるような、あったかい気持ちになれる曲」。今後のイベントやフェスで、最後にみんなで手拍子をしたり手を振ったりできるような一体感を生み出していく光景が浮かぶ。RYUHEIは最近ラブソングを聴くことも多いそうで、普段聴いている音楽からインスピレーションを得たり、メンバーのレコーディングに同席して良いところを吸収したりと、その成果も一層感じられるように思う。

 プレデビュー時から音圧高めの楽曲で魅了してきたBE:FIRSTが、結成1年を機にこのように新たなジャンルに挑み、確実に音楽を体現していくことの説得力は大きい。そんな中、プレデビュー曲の再録である「Shining One (Re-recorded)」ではメンバー自身も成長を実感できたのではないだろうか。MANATOは、持ち曲の中でも一番パフォーマンス回数が多いにもかかわらず「ちゃんと難しい」とその難易度を再確認。SOTAは「審査段階とラップのアティチュードが全然違う」とSKY-HIに成長ぶりを称賛され、手応えを感じた様子だった。

BE:FIRST / Shining One -Dance Practice Pt2-

 BE:FIRSTが所属する「BMSG」の社名は、アーティストが“ありのままの自分”でいられる会社を意味した「Be My Self Group」の略称であるが、実はもう一つの意味も込められている。それが、「Brave(勇敢な)、Massive(圧倒的な)、Survive(存在し続ける)、Groove(楽しませる)」だ。これらの“BMSG”構成要素をしっかりと持ち寄り、自分たちが「個」であるのみならず、本アルバムでリスナー自身の「個」も尊重し愛することを掲げたBE:FIRSTの姿は、まさに結成時にSKY-HIが話していたような「誰よりも世界のことを愛しているグループ」に少しずつ近づいているのではないか。今月から始まる全国ツアーで新曲をどのように披露し、どう進化したステージを見せるのかに期待したい。

※1:https://youtu.be/2PuslheddBo
※2:https://youtu.be/Dh72SgqXvOM

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