BE:FIRST、1stアルバム『BE:1』で体現する“個”の輝き 試行錯誤重ねた新曲群を中心に注目ポイントを探る

 BE:FIRSTが8月31日にリリースした1stアルバム『BE:1』。「一人一人の個性」を輝かせることを打ち出した本盤では、7人の歌声が曲の度に主役を変えていくジャンルレスなBE:FIRSTの音楽を余すところなく楽しむことができる。新曲も8曲収録され、9月末から始まる全国ツアーではこれまでにないパフォーマンスが見られるだろう。そこで今回は、メンバー7人の「個」が作品の中でどう映し出されているかを彼らの発言とともに(※1、2)掘り下げながら、アルバムの注目ポイントを探っていきたい。

BE:FIRST 1st AL『BE:1』リリース記念 YouTube Live
BE:FIRST × SKY-HI / 1st Album『BE:1』Special Interview - Spotify Liner Voice+ -

 先行配信曲やシングル曲で構成される冒頭3曲に続いて登場するのは、RYUHEIが「どんな人にとっても心が温まるような歌詞」と紹介する、明るく穏やかなミディアムチューン「Moment」。LEOは、「レコーディングの時、一通り録り終わった後にみんなの歌を聴いてもう一度録り直した」、「歌い方などいろんな変化やチャレンジを加えた曲」と収録当時を想起。また、JUNONも「1バース目のパートは、プリプロ(仮録り)から本RECでファルセットに振り切って歌うと変更になった」と話し、レコーディング中にも試行錯誤を重ねた曲であることが窺える。

 グループ初のユニット曲「Softly」は、MANATO、RYUHEI、JUNON、LEOのボーカルをフィーチャーし、RYUHEIのウィスパーボイスを巧みに用いてセンチメンタルな心情を投影した大人のスローナンバー。R&Bの分野で第一線を走るFull Of HarmonyのHIROが作詞(SKY-HIと共作)とボーカルディレクションを手がけ、シンガーに教わる緊張感を感じながらも成長を実感する勉強の機会となったようだ。どこかダークさも含むため、聴き手によって受け取り方が異なるであろうこの楽曲。MANATOが「皆さんの目の前で披露するのが楽しみな曲でもある」と語るように、4人がステージでどう表現するかも見どころの一つだろう。

 これと対になる「Spin!」はSOTA、SHUNTO、RYOKIのユニット曲。SOTAの言葉を拝借すると「ラップで畳みかけるスーパーナンバー」である本楽曲は、トラップミュージックの要素を感じさせ、HIPHOPに振り切ったトラックとライムが“これぞBE:FIRSTのMCの真骨頂”と言わしめる1曲だ。作詞に参加したことを振り返りながら、RYOKIが「歌詞も1バース目からあんなに攻めている楽曲ってなかなかない」と太鼓判を押すと、SOTAも「リアルな強気な歌詞が書けたのがよかった」とコメント。さらには「踊りたくなるフロー、トラックなので僕的には踊りたいし踊ってほしい。(ライブでは)跳ねてほしいなと思います」と、ファンとの盛り上がりにも期待を膨らませた。

 さらに、7人全員でのマイクリレーが実現したのが「Milli-Billi」だ。この楽曲で「一番テイクを録り直した」と言うのがサビの〈Milli-Billi〉を歌うSHUNTOだが、その数なんと20回以上。「ディレクションの指示と自分のニュアンスの双方を取り入れつつ、噛まずに言わなければいけないので混乱した」と語っていたことからも、難易度の高さが伝わってくる。後述する「Message」ではSOTAとともにラップを担うSHUNTOやRYUHEI、「Betrayal Game」でラップデビューしたJUNONのフロウを堪能できるほか、今曲がラップ初挑戦となるLEOの新たな一面にも注目必至だ。

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