BE:FIRST SHUNTO、変幻自在な歌声に表れる頼もしさ 19歳の誕生日に1年間の成長過程を振り返る

 先日、1stアルバム『BE:1』をリリースしたBE:FIRST。ラブソングからメンバー全員で挑戦したラップナンバーまで、初めての試みとなる楽曲も多く収録したこのアルバムでは、デビュー時から何倍にも広がった表現の幅を楽しむことができる。歌、ダンス、ラップと成長が目覚ましい彼らだが、中でも今回は、9月1日に19歳の誕生日を迎えたSHUNTOに着目してその成長の過程を振り返りたい。

 SHUNTOと言えば、誰もに愛される甘えん坊な人懐こいキャラクターが特徴的だ。その一方で、ステージにおける頼もしい存在感はますます輝きを増している。4月に出演した『VIVA LA ROCK 2022』では、登場早々、「『VIVA LA ROCK』! 初めまして、BE:FIRSTです!」と堂々たる挨拶をし、グループ初となるロックフェスへの参戦を高らかに告げた。8月には、昨年9月の『SUPERSONIC 2021』以来、約1年の時を経て帰ってきた『SUMMER SONIC 2022』のステージで「1年ぶりだな! どれだけ成長したかここで証明してやるよ!」と観客に宣言。グループ結成後初めて立ったステージであるZOZOマリンスタジアムに響いたこの一言は、BE:FIRSTを見守ってきたファンの胸にも熱い思いを灯したに違いない。近頃はライブで一段階ギアを上げるフロントランナーとしてのポテンシャルを発揮し始めている。

 オーディション『THE FIRST』当初は自ら意見を発することが少なく、チームではサポート役に回ることが多かったSHUNTO。そのためシャイな性格である印象が強かった。さまざまなオーディションを受けながら10年ほど毎日歌とダンスのレッスンを続けてきた中で、彼は自分の努力の方向性に自信が持てなくなってしまっていたのかもしれない。しかし、SKY-HIから度々「僕が欲しかった声」とその歌声を賞賛されたことが、段々と自信を取り戻していくきっかけの一つになったように思う。

 BE:FIRSTのプロデューサーであるSKY-HIは、今回のアルバム制作について「当て書きをしている曲が多い」と語っている(※1)。特に収録曲「Milli-Billi」は「SHUNTOの声を最大限に活かしたくて作った曲」だと明かされており、耳に残る〈Milli-Billi〉のパートからも分かるように、SHUNTOの低音のエッセンスが顕著に反映されることで他のメンバーのトリッキーな歌い回しにアクセントを加え、曲全体を引き締める効果を生んでいる。また、「Betrayal Game」でもSOTA、RYOKI、JUNONとのマイクリレーを見せ、ラッパーとしての存在感を提示していたが、今回「Spin!」で本格的なラップナンバーに挑戦。また「Brave Generation」などのロックナンバーで映えるギターのような歌声や、「Message」に見られる爽やかで突き抜けるような歌声など、アルバム全体で多様な声質を巧みに用いている。そんな変幻自在な歌声は、彼の強みだろう。

BE:FIRST / BE:1 -Album Digest-

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