2022.09.01 18:00

ホロライブがファンと共有したひと夏の思い出　ホロメン総勢35名で大団円迎えた『ホロライブ・サマー2022』を振り返る

文＝下地優香

　8月21日に公開された楽曲「ホロメン音頭」は、「飛んでK！ホロライブサマー」とはガラリとシーンが変わり、日本古来のリズムを用いた祭囃子が鳴り響く。ホロライブ公式YouTubeチャンネルでは、YAGOOの愛称でホロライブファンから愛されている、カバー株式会社の谷郷元昭代表取締役社長が自ら踊る「ホロメン音頭」【みんなで踊ろうYAGOO Ver.】をアップ。国内外から「YAGOO最高」という旨のコメントが溢れているのが、「ホロライブ」の愛され具合を象徴しているように思う。

【ホロライブ・サマー2022 MV第2弾】『ホロメン音頭』【みんなで踊ろうYAGOO Ver.】

　盆踊りらしい一定のテンポ感が続く楽曲だが、歌詞の中にホロライブメンバーの名前があったり、合いの手が〈てぇてぇな〜〉といった配信でお馴染みのフレーズになっているなど、随所に小ネタも散りばめられている。メンバーの自己紹介を歌にした「ホロライブ言えるかな？」に続く、年齢を問わず大人から子供まで楽しめる一曲になりそうだ。

　「飛んでK！ホロライブサマー」と「ホロメン音頭」は、ホロライブ楽曲でもお馴染みのIOSYS所属クリエイターが楽曲制作を担当。2曲に作詞で参加しているまろんは、インタビューで「配信ネタをどううまく詞に落とし込むかは、僕が歌詞を作るときの趣味なんだと思います（笑）」（※1）と、配信のネタを歌詞に落とし込むことを明かしていたが、それぞれの楽曲からそういった作家陣のホロライブ愛も感じられる。

【ホロライブ・サマー2022 MV第3弾】『Sparklers』ショートMV【ホロライブ】

　8月25日に公開された「Sparklers」は、『ホロライブ・サマー2022』のクライマックスを彩る、夏の終わりを惜しむ哀愁ただよう楽曲だ。MVではメンバーが浴衣を身にまとい、線香花火を楽しむ風情ある演出となっている。

　転調を取り入れた曲の展開は、聴き手をハッとさせ、花火が夜空を照らすような印象を与える。とくに注目すべきは、“平成”を彷彿させるメロディや歌声を際立たせるストリングスサウンドだ。この曲自体は『ホロライブ・サマー2022』のために書き下ろされた楽曲だが、全体を包み込むノスタルジーは万人が共感できる。ホロライブファンに限らず、特別な夏を過ごした多くのリスナーに届く可能性を秘めた楽曲なのではないだろうか。〈来年もまたこんな風に笑い合いたいって思うから線香花火に願うんだずっとずっと続いてきっときっと叶う〉と、来年の『ホロライブ・サマー』開催を期待させる歌詞で締めるのも心憎い。

【#皆で観ようホロサマライブ / 3DLIVE】水着と浴衣で夏の最後を！Climax Story Live【ホロライブJP35名】

　8月31日には『ホロライブ・サマー2022』のフィナーレとして無料音楽ライブ『Climax Story Live』を開催。そこで「Shiny Smily Story」の2022Ver.がサプライズ公開され、大きな話題を集めた。2019年に「ホロライブ」初となる公式楽曲として、当時の所属メンバー全員で歌唱された「Shiny Smily Story」は、夢に向けた想いをつづる歌詞と元気を与える華やかなサウンドが特徴的な楽曲だ。

「Shiny Smily Story(2022 ver.)」

　2019年verと比較すると落ち着いたテンポ感となり、よりいっそう歌詞を丁寧に歌い上げている。そして、耳をかたむけるべきは随所で用いられている鐘の音だ。勇気を与える力強いコード進行と鐘の音が絡み合うことで、「ホロライブ」が歩んできた、あるいは、これから歩む姿を祝福する印象を与えている。同じ楽曲でありながら、現在のフルメンバーが声を揃えるアンセムからも「ホロライブ」の躍進が感じられる一曲に仕上がっている。

　そして8月31日には、EP『ホロライブ・サマー2022』のデジタル配信＆パッケージの販売がスタート。ここまでに挙げた4曲と、期生ごとの「Shiny Smily Story」を楽しめる作品となっている。この夏、多くの人の思い出となった『ホロライブ・サマー2022』。そんな思い出が形となったEPと共に、晩夏を過ごすのも風情があるのではないだろうか。

※1 https://realsound.jp/2022/06/post-1042100.html