斉藤朱夏、岡咲美保、鈴木杏奈……夏が過ぎても聴きたい、女性声優の力強い歌声
昨年9月にアーティストデビューを果たした岡咲美保は、これまでのシングル表題曲などを収めた1stアルバム『BLOOMING』をリリース。キャラクターソングをはじめ、デビュー以前から歌唱力に定評があった岡咲。本作には、そんな彼女の歌声に新たな彩りを加えるために様々なクリエイターが参加している。
特にデビューシングル表題曲「ハピネス」や本作収録の「ミラー」を手がけたDECO*27との相性は抜群だ。岡咲本人が大ファンであった(※2)ことを前提に、幅広い声のレンジ、そして歌われる曲の主人公に没入できる表現力が求められるDECO*27の楽曲を見事に自分のものとしている。また、ボカロPの一二三による「ワラウカドニハ!」は門出の季節である春を背景に、独特のメロディで歌われる応援歌として斬新なアレンジが光る。続く40mPが書き下ろした「Rainy Smiley」では、ゆったりとした岡咲のボーカルが雨模様でも健やかに響き渡るなど、中盤で訪れるボカロPらの楽曲にはストーリー性を感じ取ることができた。
そのほかにもヨシダタクミ(saji)による「フリージア」など、ジャンルも歌唱も異なる楽曲が並べられた 1stアルバムは、夏を含む四季折々で楽しむことができる作品だ。
鈴木杏奈は、アニメ『ワッチャプリマジ!』(テレビ東京系、以下『プリマジ!』)にて心愛れもん役を務め、同作の第4クールOPテーマ「Magic×Color」をシングルリリース。同じく『プリマジ!』OPテーマであった「Dreaming Sound」で歌われた思いを引き継ぐような、力強いボーカルからスタートする「Magic×Color」は、作品の世界と呼応しつつ、鈴木自身のディスコグラフィにおいてもターニングポイントになるであろう力作に仕上がっている。衣装からセットまで白を基調としたMVでは、楽曲からもたらされる自信を纏った躍動する鈴木本人を見ることができる。
カップリングには、しゃがれるほどシャウトするハードロック曲「愛情表現法」を収録。相手への思いが強すぎるがあまり、執拗に束縛する姿が描かれる同ナンバー。そんな人物になりきって歌う鈴木のボーカルからは、新たな表現の可能性を垣間見ることができた。
※1:https://natalie.mu/music/pp/saitoshuka07/page/3
※2:https://okmusic.jp/news/488180