ディカペラ、ディズニーの名曲とともに日本中を駆け巡る 綿密なアレンジで伝える楽曲本来のメッセージ

ディカペラ、来日ツアーレポ

 後半は、日本語で歌う「サンクス・トゥ・ユー」から始まる。東京ディズニーシーの1周年記念に合わせて作られた楽曲だ。後半もまた『アラジン』、『塔の上のラプンツェル』、『ライオン・キング』、『リトル・マーメイド』といった人気映画からの曲を次々に歌っていく。

 そのなかで見どころのひとつは、ループマシーンを駆使した楽曲。ケイレンがひとりパフォーマンスする「踊ろう、調子よく」(映画『メリー・ポピンズ』より)や、ロック調の「大切なのはバスケット」(映画『ハイスクール・ミュージカル』より)ではループマシーンを使うことで歌が広がり、スリリングな展開を楽しませてくれる。

 もうひとつの見どころは、「狼なんかこわくない」だ。この曲は、1933年に公開された8分のアニメーション映画『三匹の子ぶた』の劇中歌で、日本でも多くの人が幼い頃に歌ったであろう有名な曲だが、ディカペラの場合は単に歌うだけではなかった。子ぶたと狼がそれぞれ奏でる口笛やフィドルなどに加えて、家を建てる時の釘を打つ音、子ぶたが逃げ走る音、狼が大きな息を吹きかけて家を吹き飛ばす音など、映像に合わせて、いわゆるアフレコをライブでやってしまうのだ。空耳ではないと思うが、1度か2度、日本語で「こわい」と言う声も聴こえた気がしたので、ぜひ会場で確かめてみてほしい。その圧倒的なパフォーマンスに、大きくて長い賞賛の拍手が続いた。

 他に映画『スター・ウォーズ/新たなる希望』からの「酒場のバンド」、劇中で登場キャラクターたちが集うバーで演奏されるインスト曲を声だけで再現するこの曲は、全員の声が楽器と化していた。本人たちによると、口の開け方や唇の震わせ方などを工夫することで、楽器により近い音を再現するようにしていると言うが、これも努力の賜物である。

 全31曲、いわゆるリードボーカルとコーラスという単純な編成はひとつもなく、緻密なアレンジのもと、複雑に絡み合う声、時には歌の中にサックスやギターの音が挟み込まれるので、単に盛り上がるだけでなく、集中して歌を楽しみたくなってくるのだ。およそ2時間の公演だが、体感では3時間を超えるような満足感があった。

■ライブ情報
東京公演:8月5日(金)~8月21日(日) 東急シアターオーブ
大阪公演:8月25日(木)〜8月28日(日) オリックス劇場
広島公演:8月30日(火)18:30開演 広島文化学園HBGホール
福岡公演:9月2日(金)18:30開演 福岡サンパレス
鹿児島公演:9月4日(日)17:00開演 川商ホール(鹿児島市民文化ホール)第1ホール
名古屋公演:9月6日(火)18:30開演 日本特殊陶業市民会館フォレストホール
札幌公演:9月9日(金)19:00開演 札幌文化芸術劇場 hitaru

<チケット>
いずれもS席 9,800円、A席 7,800円、B席 5,800円、VIP席 14,800円(税込み・全席指定)
3歳以下入場不可

VIP席の特典:10列目以内の席保証、サウンドチェック見学、トークセッション、VIP限定オリジナルグッズ、公演オリジナルグッズ先行販売

■リリース情報
ディカペラ
『マジック・リイマジンド』
2022年7月22日(金)発売・配信
UWCD-1110/3,000円(税込)
Walt Disney Records
https://store.universal-music.co.jp/product/uwcd1110
https://umj.lnk.to/MR_JP

■関連リンク
ディカペラ ユニバーサル ミュージック公式サイト:https://www.universal-music.co.jp/dcappella/
ディカペラ日本公式 Twitter:https://twitter.com/DCappellaJapan

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