すとぷり、リスナーと共有する濃密な夏の思い出 ベルーナドーム公演へと繋ぐバーチャルライブを観て

すとぷり、バーチャルライブレポ

 前述の通りリスナーと充実した夏を過ごしてきた5人。展示イベントや、日々の投稿、この夏のための会議をころんの家で集まって行ったこと、これまで行ってきた夏のツアー、一年越しにEPという形でアルバムを届けられたこと、その曲を持ってバーチャルライブができることへの喜びなど、それぞれが夏の思い出を感慨深い様子で語った。

 そしてライブが終盤であることを告げ「終わっちゃうのが寂しいな」「寂しいよ」と口々に零すと、投稿されたばかりの新曲「33414」が初披露された。背景にリリックが映し出される中、ストレートな歌詞をダイレクトに伝えるようにカメラ目線で歌う姿はバーチャルということを忘れるほど感動的だ。

 流れ星が流れる中、「シルベボシ」でリスナーへの感謝を熱く伝えるといよいよライブはラストナンバーへ。莉犬が「ラストー!盛り上がっていくぞー!」と叫ぶと始まったのは「Strawberry Smile Magic」。キュートなダンスと、再会を約束するような歌詞で本編を締めくくった。

 アンコール1曲目は「パレードはここから」。この日のために作られたという屋上ステージで、夜景をバックに息ぴったりのフォーメーションダンスを見せる。

 この夏はリアルイベントも多く行ってきたすとぷりだが、そういったイベントに行けない人にも楽しいを届けたいという気持ちでバーチャルライブを行ったことを語る。ベルーナライブへの意気込み、全世界同時配信などできることが増えてきたこと、今までで一番濃密な夏にできていると、すとぷりづくしの夏になったことへの感謝の思いを告げると、ついに最後のパートへ。

 すとぷり最初の夏曲「苺色夏花火」が始まると、夜空には花火が打ち上がる。ラストナンバーはお馴染みの「Strawberry Prince Forever」。空にはさらにカラフルで大きな花火が大量に打ち上げられ、「ありがとう!」「またね!」と笑顔で手を振り、一夜のお祭りは美しく幕を閉じた。

 多くのリスナーがリアルタイムで思い出を共有できる貴重なライブとあって、有料配信にも関わらずトレンド1位を記録し、すとぷりの人気の高さをあらためて再確認させられた。ライブのたびにブラッシュアップされるパフォーマンスや、最新鋭の技術を駆使した演出はもちろんだが、「リスナーと楽しい時間を共有する」「リスナーと一緒に歩んでいく」という一貫した姿勢が、ファンの心を掴んで離さないのだろう。

 すとぷりのメンバーもリスナーも、惜しみなく「ありがとう」と「大好き」を交わし合う。それはリアルであってもバーチャルであっても変わらない。彼らのライブには、“すとぷりの作る夢のような時間が、現実を生きる糧となる”という純粋な気持ちで満ちている。すとぷりの今後がますます楽しみになったライブであった。

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