Midnight Grand Orchestra、生演奏で届けた1stライブ『Overture』 バーチャルワールドに出現した惑星のステージ
「Tuning (Interlude)」をはさんで、スローなバラードチューン「流星群」へ。激しい演出はやや控えめに、しっとりと歌い演奏するメンバーたちの姿や、つくりこまれた世界をじっくり見せるカメラワークが楽曲の魅力を引き出していた。
ここまでは、ミニアルバム『Overture』の曲順に沿ったセットリスト。ゆえに、いかに『Overture』の構成が見事に練られていたかを再確認してもいたのだが、「流星群」の次に披露されたのはなんと「3時12分」。前述のとおり、TAKU INOUEのメジャーデビュー曲であり、星街すいせいとのコラボが初披露された楽曲だ。いわばミドグラにつながるふたりの原点であり、歌い出しが聞こえてきた瞬間に思わず声をもらしてしまった。曲名になぞらえて時計の文字盤となったステージのうえで行われたパフォーマンスに、配信視聴者によるチャット欄も圧倒されていた。さらに「Stellar Stellar」が続き、ネオンカラーに輝く光が乱れ飛ぶステージが宇宙へ突き抜けていくような勢いのある曲調をいっそう加速させていた。
最後のMCを挟んで、一歩一歩踏みしめるようなエイトビートとシンプルだが琴線に触れるリフが印象的な「Highway」へ。絶妙なタイミングで披露された「3時12分」や「Stellar Stellar」のインパクトに、よもやこの2曲が今回のハイライトか……と不覚にも思ってしまっていたが、ふたりの音楽性にミドグラならではの流麗なアレンジが加わり、さらに生バンドによる演奏という力強いサポートが加わった「Highway」は、そんな印象を洗い流すかのようにミドグラというユニットの可能性を感じさせてくれた。
パフォーマンス全体は45分ほどとコンパクトだったが、充実感は高かった。最後のMCで「もし次ライブすることがあれば、そのときには、もう50曲くらいできてるんですかね」と問いかける星街すいせいに「もうちょいできてるかなぁ」とさりげなく返すTAKU INOUEの姿に、ぜひどんどんミドグラの世界と可能性を追求してもらいたくなった。ミドグラの100曲ライブ、待ってます。
■セットリスト
M1.Never Ending Midnights
M2.SOS
M3.Allegro
M4.Rat A Tat
M5.Tuning (Interlude)
M6.流星群
M7.3時12分
M8.Stellar Stellar
M9.Highway