星街すいせい、Mori Calliopeもメジャーデビュー 音楽業界が向けるホロライブ所属アーティストへの熱い視線

ホロライブ勢が音楽業界に起こす旋風

 3月19日、20日に幕張メッセで開催された『hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ』。全38名の女性VTuberが出演、全編VRを駆使したステージでバーチャルアイドル/アーティストの魅力を世界へと発信した女性VTuberグループ“ホロライブ”。同グループからは、2019年に<ビクターエンタテインメント>からメジャーデビューした“ときのそら”を筆頭に、メジャー音楽シーンでも存在感を発揮している。

 4月13日には星街すいせいが、TAKU INOUEとのユニット“Midnight Grand Orchestra”として<トイズファクトリー VIA>から本格的にデビューしたほか、ホロライブEnglishに所属するMori Calliopeが、7月20日に1st EP『SHINIGAMI NOTE』で<ユニバーサルミュージック EMI Records>よりメジャーデビューすることも発表され大きな話題となっている。

 そもそもホロライブは、それぞれがソロでも活動する女性VTuberグループであり、歌唱力に秀でた者は「歌ってみた」のカバーにとどまらずオリジナル曲も発表、自社レーベルからCDも多く発売されてきた。ルックスやキャラクターとしてのプロフィールから、独自の世界観を持つ者も多い中で、ときのそら、AZKi、星街すいせい、湊あくあ、常闇トワ、Mori Calliopeなどは歌唱力が高く評価され、『hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ』のDAY1では、星街が凜とした強さを湛えた透明感のある歌声と圧倒的な歌唱力を披露した。いないのにそこにいるという圧倒的な存在感は、0をいきなり100にするほどの衝撃を与えるものだったと言える。

NEXT COLOR PLANET / 星街すいせい(official)

 星街は、歌とアイドルをこよなく愛する“永遠の18歳アイドルVTuber”として2018年3月から活動を開始。これまでに数多くのオリジナル楽曲を発表し、「天球、彗星は夜を跨いで」、星街自身が作詞を手がけた「NEXT COLOR PLANET」は現在までに1000万回以上の再生数を記録。昨年は初の全国流通CDとして1stアルバム『Still Still Stellar』をリリースし、オリコンのデジタルアルバム ウィークリーチャートで1位を獲得するなど多くのチャートで上位にランクインを果たした。

 こうした音楽面で存在感を発揮しているVTuberの存在は、クリエイターからも熱い視線を集めている。それは彼女たちの歌声に、揺るぎのない核のようなものを感じるからだろう。彼女たちは日々様々な楽曲をカバーし、楽曲の個性に埋もれることなく確固たる歌声を披露してきた。彼女らの歌声の独自性は、そうした研鑽の日々によって生まれたものだ。雨が降ろうが槍が降ろうがびくともしない強靱さで、アニソンもボカロ曲もJ-POPも何でも自分のものにしてしまう強さと貪欲さを持っている。

 実際に星街の楽曲には、TAKU INOUEをはじめ、ナノウ、櫻澤ヒカル、こだまさおり、堀江晶太、みきとP、夏代孝明、キタニタツヤ、酒井拓也ら、実に多ジャンルのクリエイターが顔を揃える。それら全てを颯爽と歌いこなす星街の歌声は、さながら決して折れることのないオリハルコンの剣だ。

Stellar Stellar / 星街すいせい(official)

 特にTAKU INOUEとの相性は抜群で、前述のアルバムのリード曲「Stellar Stellar」の楽曲プロデュースを買って出たほか、昨年のTAKU INOUEのメジャーデビュー曲「3時12分」のフィーチャリングボーカルに星街を指名したほど。4月13日には彼と共にユニバース・ミュージックプロジェクト“Midnight Grand Orchestra”を発足し1stシングル「SOS」が配信され、フューチャーベースを基盤にした爽快感のあるエレクトリックサウンドに乗せて、星街はクールさとエモーショナルさという相反する2つを両立させた奇跡的なボーカルを披露している。また大野悟によるMVも話題で、最後に示される“4444444492999”という数字の意味と少し流れる音が、次回作への期待感をあおり話題となっている。

Midnight Grand Orchestra「SOS」MUSIC VIDEO

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