Ado、『ONE PIECE FILM RED』主題歌&劇中歌がバイラル好調 個性的な楽曲を歌いこなす、底知れないボーカル表現

参照:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2022-08-10

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの8月10日付のTOP10は以下の通り。

1位:KOTA「DIE (feat. KZHI)」
2位:Skaai「FLOOR IS MINE (feat. BIM)」
3位:Ado「新時代」
4位:さユり「花の塔」
5位:DINDIN「I’m not myself when I’m around you (Feat. 10cm)」
6位:Ado「逆光」
7位:オリビア・ニュートン=ジョン「Have You Never Been Mellow」
8位:&AUDITION「The Final Countdown」
9位:多部大「You」
10位:スティーヴ・レイシー「Bad Habit」

 暦の上では立秋を迎えたものの、まだまだ暑い日が続く昨今。SpotifyのDaily Viral Songsでも、引き続きこの夏を彩るナンバーが続々とチャートインしている。なかでもトップ10圏内に「新時代」と「逆光」の2曲が同時ランクインしているAdoの存在がひときわ目立つ。

 8月6日にとうとう封切りとなった映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌、Adoの「新時代」が3位にランクイン。あわせて、6位には同作品の劇中歌「逆光」も同時ランクインしている。Adoは、劇中に登場するキャラクターである歌姫 ウタの歌唱パートを担当。今週ランクインした「新時代」「逆光」の2曲の他にも「私は最強」「世界のつづき」「風のゆくえ」など、合計7曲のボーカルを担当しており、これらの楽曲群はアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』に収録されている。1人のアーティストが劇中の歌姫として歌唱を担当するスタイルは、映画『竜とそばかすの姫』で中村佳穂が劇中のキャラクターに扮して歌唱したメインテーマ「U」が記憶に新しい。King Gnuのメンバー 常田大希によるプロジェクト millennium paradeと中村佳穂のコラボという形を取った「U」だが、『ONE PIECE FILM RED』でAdoが歌唱を担当する楽曲も中田ヤスタカ、Mrs. GREEN APPLE、Vaundy、FAKE TYPE.、澤野弘之、折坂悠太、秦 基博など豪華7組のアーティストが楽曲を提供している。

 なかでも今回は、今週のトップ10圏内にランクインしている「新時代」と「逆光」に目を向けてみよう。PerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅもプロデュースするDJでプロデューサーの中田ヤスタカが手掛けた「新時代」は、Adoの歌唱力を最大限に引き出した映画主題歌らしい壮大な一曲。「うっせぇわ」にみられるような高音と低音を目まぐるしく行き来するボーカルワークが特徴的なAdoだが、この楽曲では、ファルセットを駆使した伸びやかな歌声が映画の壮大なテーマを体現しているようだ。もちろん、中田ヤスタカらしいテクノポップのニュアンスも随所に感じられ、80’sっぽいシンセサウンドが疾走感を演出している。〈夢を見せるよ 夢を見せるよ 新時代だ〉というラストラインからも映画の世界観にもリンクした希望に満ちた情感が伝わってくるだろう。

【Ado】新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)

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