AKB48 小栗有以、武藤十夢……俳優面で躍進するメンバーが急増 “ポスト川栄李奈”は生まれるか?

“ポスト川栄李奈”は誰なのか

 では、現在のAKB48のなかで“ポスト川栄李奈”の可能性を秘めたメンバーは誰になるのか。

 大注目は、小栗有以だろう。特に『教祖のムスメ』(MBSほか)の第1話、黒沢美優役での演技は抜群に良かった。劇中でのキャラクターは、ストレートに言ってしまえば“めちゃくちゃ嫌なやつ”である。黒沢は同級生をイジメて金までせびる。そのやり方は相手の弱みにつけこむこと。徹底的に“性格の悪い役”になりきり、一方で家庭環境からねじ曲がってしまった、黒沢の複雑な心情も表現してみせた。小栗は7月から『パパとムスメの7日間』(TBS系)にも中山律子役で出演。こちらは『教祖のムスメ』と真逆で、主人公・川原小梅の恋をサポートし、またクラスでも人気の活発なタイプ。今後も多感なキャラクターを演じていくことで、芝居の幅がさらに広がっていきそうな気配だ。

 武藤十夢もこれから役者としておもしろい存在になるのではないか。7月スタートの『悪女のすべて』(BS松竹東急)は、ある劇団を舞台に女性たちの愛憎がぶつかりあう生々しい物語で、武藤はそのドロドロした争いに巻き込まれてしまう役どころだ。劇中の感情のはがし合いを経験して、俳優として一皮剥けそうな予感がする。今後は主演映画『日光物語』、ヒロインをつとめる『断捨離パラダイス』が公開予定。前田、大島、川栄らの“俳優の系譜”に名を連ねる可能性大である。

日光を舞台にした人情映画「日光物語」製作発表

 下尾みうは2023年公開予定の映画『美男ペコパンと悪魔』で一人二役に挑戦。原作は、ヴィクトル・ユーゴー。ユーゴーは『レ・ミゼラブル』などで知られるフランス・ロマン主義を代表する作家であり、彼の幻想小説としては世界初の実写映像化になるという。原作自体が一筋縄ではいかない内容なので、キャラクターとしてどのようなアプローチをおこなうのかが楽しみだ。下尾自身、2021年の劇団PU-PU-JUICEの舞台『フェイクニュース』で個性派俳優にかこまれ、新人記者役で初々しくもはつらつとした芝居をみせた。これから経験を重ねていけば、才能が開花するのではないだろうか。 

 ほかにも2022年は、本田仁美が『オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨~』(日本テレビ系)にゲストとして登場してドラマ初出演を果たし、坂口渚沙も12月に主演の短編映画『雪国物語』が映画祭で上映される予定だ。

 俳優としてポテンシャルを発揮しつつある、各メンバー。特に小栗はこれから俳優として映画、ドラマでは欠かせない存在になるはず。どんな作品に抜てきされるのか、その活躍が非常に楽しみである。

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