追悼 オリビア・ニュートン=ジョン 可憐な妖精は人々に勇気を与える存在へ、日本で果たした役割と影響

そして、癒しの時期へ

『バック・ウィズ・ア・ハート』
『バック・ウィズ・ア・ハート』

 怒涛の1980年代が終わりにさしかかると、セールスもひと段落し、11歳年下のダンサー、マット・ラッタンジーと結婚。活動も、徐々にゆるやかなものとなり、環境保護活動に積極的に関与し、ユニセフ親善大使もつとめる。その頃から、乳癌を患うが、闘病もカミングアウトし、がん治療の啓発活動にも身を投じていく。スローライフに転換し、自身の生き方そのもので、人々に勇気を与えていくアーティスト像にシフトチェンジする。

 近年ではコンサート活動も復活し、数度の来日公演を果たす。デビュー45周年を記念した来日公演では、震災追悼公演『Pray For Fukushima』を開催した。

 彼女の発表した楽曲群。彼女のビジュアルイメージの変遷。彼女の演じたキャラクター達。そして彼女の生き方。その全てが記憶となり記録に残り、影響を与えていく。金髪の可憐な妖精は自身を変化させながら、我々の人生に寄り添い、夢と希望とかけがえのない時間を与え続けながら、静かに去って行った。心より冥福をお祈りいたします。さようなら、オリビア。

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