岡田奈々はAKB48グループに欠かせない存在に 加入から10年、そのアイドルキャリアを辿る
現実主義的な性格が努力を後押し
そういった努力の背景には、岡田の現実主義的な性格が影響しているように思える。雑誌『BRODY』2022年6月号(白夜書房)で岡田は、村山彩希、茂木忍、向井地美音とのYouTubeチャンネル『ゆうなぁもぎおん』についてのインタビューに答えている。そのなかで、企画について「私は、なるべく現実的な企画を提案するようにしています」と、場所的に撮影が可能かどうか、撮影時間はとれるのか、予算は足りているかなどを考えるようにしていると話していた。岡田は「考え方が運営側っぽくなってくる、というか」とかなり冷静に判断を下しているそうだ。
おそらく、そうした現実的な目を自分自身にも厳しく向けてきたのだろう。だからこそ、「ダンスは苦手」という自己分析から目をそらさず、とにかく努力を重ね続けて高い評価を勝ち取ってきたと言える。
最新シングル『元カレです』(2022年)のカップリングとして収録されたソロ曲「壊さなきゃいけないもの」は、そんな岡田の内面を表現するのにぴったりの内容だった。〈泥だらけにならなきゃ 美しさに気づかないだろう〉、〈壊さなきゃいけないものは 目の前にあるものじゃなく 越えられない 無理かもしれないと思う 自分自身の弱さだろう〉という歌詞は、ストイックに自分を磨く岡田の実像と大いに重なるものがあった。
AKB48は今、本田仁美を筆頭に各メンバーの成長が著しい。エース格が次々とあらわれてきそうな状況だ。岡田は間違いなくその中核にいると言って良いだろう。かつて「神セブン」がAKB48の象徴となったが、そろそろ岡田、本田ら現メンバーの実力者たちに素敵なネーミングがつけられてほしいものである。