TWICE ナヨン、ソロデビュー曲「POP!」がバイラル首位 徹底されたキュートさに表れる実力
参照:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2022-07-20
Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの7月20日付のTOP10は以下の通り。
1位:NAYEON「POP!」
2位:水曜日のカンパネラ「エジソン」
3位:Metallica「Master Of Puppets」
4位:&AUDITION「The Final Countdown」
5位:PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE「Choose One」
6位:FAKE TYPE.「FAKE LAND」
7位:多部大「You」
8位:Yung Gravy「Betty (Get Money)」
9位:NAYEON「LOVE COUNTDOWN (feat. Wonstein)」
10位:Leellamarz, TOIL「Don′t do That」
今回は、バイラルチャートでついに1位を獲得したNAYEON「POP!」をピックアップする。
TWICEのメンバーであるナヨン=NAYEONは、6月24日にミニアルバム『IM NAYEON』で、グループ初のソロデビューを果たした。本作のリードトラックである「POP!」は、タイトル通りポップな1曲であるが、特筆すべきは、そのポップぶりが楽曲のみならず、ミュージックビデオや衣装、ダンスなども含め、すべてのファクターで徹底されていることだ。そして、どの要素にもナヨンの魅力が引き立つ華やかさがある。このキュートで華やかなポップさは、TWICEというグループの魅力にも通ずるが、ナヨンというフィルターを通すことで、その強力さがシンプルに際立っている印象だ。
同アルバムに収録された7曲は、曲調はバラエティに富んでいるが、どの曲もシンプルな構成に短くキャッチーなフレーズの繰り返しが多い。つまり、どの曲もTikTok用に切り出しやすいフレーズの宝庫なのだ。曲のテンポもアップかミディアムアップだが、低音のリズムの打ち出しが優しく、軽快な印象を受ける。動画のジャンルを選ばず、BGMにしやすい曲が並んでいるとも言えるだろう。その中でも「POP!」は、洗練されていながら抜群にキャッチーなメロディ、イントロのホーンの音色やAメロのコーラス、1番終わりでの掛け声のような〈Pop pop pop (Uh uh)〉というフレーズなど、いたるところにフックが満載。また、後半へ向けてバックボーカルが増えていくなど、グラデーションあるストーリー性も見事で、音数を絞りながらも、さりげないゴージャスさを演出している。
ナヨンのボーカルも、メインのメロディはリズムに音を置きにいくアプローチが中心だが、多彩な声音や母音の抜き方を使い分け、くるくると表情が変わるようなキュートさを見せながら楽曲の可愛らしさを後押ししている。サビで聴かせるクリアなロングトーンも早めに切り上げていて、リズムを大切にして歌っているのがわかる。対して、後半のコーラスやバックボーカルでは、高音の伸びやかなロングトーンや、切り上げも少しディレイさせ、ソウルフルな一面を見せる。ナヨンのボーカルだけ追っていても非常にスキルフルな1曲であるが、一貫してすべてが“キュートさ”につながっているあたりに、ナヨンの表現者としての実力を感じる。