二宮和也『○○と二宮と』レビュー:初のカバーアルバム、歌声の魅力を存分に味わえる作品に

 嵐の二宮和也による自身初のカバーアルバム『○○と二宮と』が各音楽配信サービスにて解禁された。

 このアルバムは、二宮の誕生日である6月17日に嵐のファンクラブ会員限定で発売されたもの。20日にデジタル配信がスタートしたことで、現在はファン以外もアクセスしやすい状況となっている。二宮が既存の楽曲をどう表現したのかはもちろんのこと、豪華なアレンジャー陣によって楽曲がどのように生まれ変わったのかも聴きどころだ。

 まず1曲目のさかいゆう「君と僕の挽歌」のカバーでは、開始早々から二宮の伸びやかな歌声が飛び込んでくる。アレンジは言葉が立つようにほぼアカペラからスタートし、なおかつ曲中はシンプルな作りで一貫している。さらに彼特有の奥までストレートに突き刺すような歌い方も言葉を丁寧に伝えている要素の一つだ。そして選曲にも注目したい。今作の収録曲はすべて本人がセレクトしたという。そのため1曲目に選んだこの曲には、彼の“いま伝えたいこと”が最も強く表れていると思われる。原曲はさかいが亡くなった親友に向けて書いた曲だが、二宮が歌うとまた違った意味を帯びてくる。そんな中で歌われる〈ねぇ これでいいかな?/キミならどうした?〉といった言葉には、二宮にとって多くの節目を経た後の今だからこそ響くものがあると感じる。

 2曲目のNovelbright「Walking with you」のカバーは、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)による大胆なアレンジが印象的。様々なジャンルを通過していくダンスミュージックだが、そんなユニークな作りのサウンドにも難なく対応していく。このあたりには幅広い楽曲を歌っていた嵐での経験が活かされていると言えるだろう。幅広いジャンルという点では、次のOfficial髭男dism「Pretender」のカバーも同様だ。音楽ユニット・REOLのサウンドクリエイターを務めたGigaによって再解釈されたスピード感あるダンスアレンジでも、確固たる二宮像は崩れない。

 また、イントロから美しいコーラスに癒される秦 基博「ひまわりの約束」カバーでは、一語一語言葉を丁寧に発音しているのが印象的。対するアレンジ面は、どこか音に包まれるような、温かいサウンドと優しいコーラスに癒される。嵐での彼の歌唱でもそうだったが、ゆったりとしたバラード系の楽曲において特に彼の声は生きてくると思う。彼の柔和な人柄が滲み出た選曲と再解釈だ。



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