路上弾き語りシーンから現れた注目の次世代シンガー 透明感あふれるボーカルが話題の冨岡愛とは何者か?

路上弾き語りシーンで話題の冨岡愛とは?

冨岡愛「ラプンツェル」
冨岡愛「ラプンツェル」

 冨岡の人気の理由の一つがその歌声だ。伸びやかに響くその透き通る声質は、聴き手をやさしく包み込む温かさがある。透明感と包容力を兼ね備えたボーカルと言えるだろう。

 映像にはしっかりとリリックも表示されているため、その美しい歌声と、アンニュイな表情を浮かべた横顔を映す撮り方の妙も相まって、思わず楽曲の世界観に惹き込まれてしまう。

 昨年、優里が審査員を務めた『ネクストブレイクシンガー発掘オーディション』で見事1位に選ばれた彼女は、優里による作詞作曲の「ラプンツェル」を今年4月にリリースした。

冨岡愛『ラプンツェル』Official Music Video

 「ラプンツェル」は同名の童話をモチーフにしたラブソングで、〈スマホ〉や〈LINE〉、〈既読〉といった現代ならではのワードがふんだんに用いられた歌詞が特徴。ストレートな感情を綴るなかにも、言葉選びに優里の秀逸なセンスが光る。

〈LINEも寝落ち通話も山ほどしたい〉
〈既読がつくまで眠れないよ〉
〈ぐっと気持ちを堪えて/髪を伸ばして待っているわ〉

「らしくないよね。」
冨岡愛「らしくないよね。」

 こうした主人公のもどかしい気持ちを表現する冨岡の歌声は、時に強く訴えるように、時に我慢するように押し引きを繰り返しながら、終盤にかけてより一層切なさを増していく。優里の類稀なソングライティングと次世代シンガーとして期待される冨岡のタッグによって生まれたこの曲は、これからも多くの共感を呼ぶに違いない。

 6月22日には新曲「らしくないよね。」をリリースした冨岡。「ラプンツェル」の続編として書かれたこの曲は、別れ際の2人のリアルな感情が表現され、一度聴いたら忘れられないサビのキャッチーなメロディが印象的。今後は冨岡のソングライティングにも注目が集まるだろう。

 今年に入って変化が訪れ始めた弾き語りシンガーのシーン。新たな才能の登場により、この盛り上がりにはさらに拍車が掛かりそうだ。

冨岡 愛 - らしくないよね。(OFFICIAL MUSIC VIDEO)

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