庄村聡泰がHEY-SMITH 猪狩秀平に聞く、YouTubeチャンネル成功の鍵 バンド活動との共通点、“ギャル飲み”企画の真相も明かす
YouTubeの企画はどう考える?
庄村:猪狩のYouTubeチャンネル(猪狩秀平の大阪のバンドマンチャンネル)って、ビクビクしながら見ちゃう企画とかもたまにやってるじゃないですか。マンウィズ(MAN WITH A MISSION)の中身がどうとか、危ないDMを送ってきた人や、MAH(SiM)くんとMasato(coldrain)の嫁と飲むとか。企画の発案は、猪狩本人がやってるの?
猪狩:そうですね。でも、「あれやってみない?」「それ、おもしろそう」とか、みんなで普通に飲みながら企画を考えたりもします。全部ウソのモーニングルーティーンをやる企画は佐渡が考えて。
庄村:起きてめっちゃ保湿するみたいな(笑)。あえてこういう言い方をするけど、この悪巧みは猪狩とYUJIくん、満くんの3人でやってる感じ?
猪狩:大体そうですね。
庄村:Task-nをぶっ壊す回とか見たいけどね。ドラマーとして腹立たしいくらい完璧すぎて。ちゃんと喋ったことないけど、ずっとにこやかで、クールでいい人、みたいな印象しかないから。音楽の話もTask-nと超したいの。
猪狩:ほんまに浮き沈みがない人間なんですよ。ずっと冷静で。でも、音楽の話は一生できる。ドラミングの点がここで、とか。ドラムのプロフェッショナルなんですよ。地元の後輩でもあるので、すごく働いてくれるし、HEY-SMITHで一番運転とかする。
庄村:そういうのもやるんですか? 嫌な顔もせず?
猪狩:うん。むしろ率先して、運転から、荷物の積み込みから、Task-nが一番やります。それこそ、フェスとかで2万人の前でライブやったら、はけて30秒後にはもう機材搬出してます。30秒後にはグローブつけてる。あと、彼はそんなにお酒を飲まないので、俺らが打ち上げ行くわとか言っても、その場所まで送ってくれるし。何なら終わるまで待ってくれたりする。
庄村:うわぁ、より好きになったかも(笑)。それで、今回どうしてもお聞きしたかったのが、“ギャル飲み”の企画をやるに至った経緯と本当にやったのか、ということ。
猪狩:はい。InstagramにDMが何度か来たんですよ。普通に友達と一緒に写っている写真とか、名古屋でライブしているときに、「今どこどこにいるんですけど、飲みませんか?」とか送ってきて。でも、どう考えても危ないから全部無視してたんですよ。これはな……と思ったんですけど、YouTube上であれば逆に安心かなというか。どんなやつなん? みたいな。俺もクールで、かっこよくて、みたいなタイプじゃないので、ほんまにムカつくやつやったらそう言ってやろうかなと。そしたら普通にいい子だった。
庄村:ね。明るくて、恥じらいがあって。
猪狩:どこが! 恥じらいだけはなかった(笑)。
庄村:あれ、本当にみんなに見てほしいな。めちゃめちゃおもしろかったもん。喋り方とか作曲もそうですけど、猪狩はずっと飄々としているイメージがあったから。他のメンバーをしばいたりとか、ギターから出ている弦で、目をついたりしない(笑)?
猪狩:いやいや、基本俺はこんな感じ。
庄村:でしょ? いくら飲んでもずっとこうだし。俺はテンション上がると早口になるから、落ち着いた喋り方でずっとこのテンションでいられる人がうらやましいなと。
猪狩:彼女に浮気とかされて、喧嘩する時もこんな感じだと思う。
庄村:一番ヤバイやつじゃん(笑)! それはやっぱり、事務所というのがあるからですかね?
猪狩:うーん。あってないようなもんですけどね。だって、吹けば飛ぶ会社なので。
庄村:UK.PROJECTもそう言ってましたよ。
猪狩:いやいや。そもそもインディーズ出身だから、何の後ろ盾もないですし。YouTubeも何も手伝ってくれないし……なんっにもやってくれない、マジで(笑)! (スタッフを見て)こんなに人がいるなんてうらやましい。
庄村:どっちの方が楽しく回せるんだろうなとは思うよね。俺も後ろ盾は皆無な状態ではある。本当にたまたま、ここにいるスタッフたちは全員飲み友達で、やる時にも最初に「ぽしゃったら、それを肴にお酒が飲めますか?」と聞いたの。マジで駄目だったら、懺悔の乾杯! と(笑)。
猪狩:みんなそんな覚悟がある方達だと。お疲れ様でした(笑)。
地上波パフォーマンスの裏側
庄村:で、それなのに地上波の『Love music』(フジテレビ系)にも出演したことがあるじゃない。あれは局からオファーがあったの?
猪狩:内情まで知らないですね。こっちがお願いしない限り、オファーなんて来ないと思うんですけど。
庄村:でも、意外と局勤めの方にファンが多い印象があるんだよ。現場のスタッフさんだと黒いTシャツを着るじゃん? それで、HEY-SMITHのTシャツを結構見かけた。だから思っている以上に、いろいろな人たちの活力になっているバンドである可能性は非常に高いですよ。そういう人たちからの熱烈なオファーがあったのかなと。
猪狩:いや、ほんまに分からないですけど。あの時は当て振りとか口パクじゃなくて、生演奏でやらせてくれると言われて、それは熱いと思って出演させてもらったんです。
庄村:でも、あの時の逆手にとったパフォーマンスが最高だったわけ。[Alexandros]は、ちゃんとTVサイズでやるバンドですからね。事前に打ち合わせはあったと思うんだけど、ああいうふうにやらせてくれ、みたいな感じで言ったの?
猪狩:逆手に取ってました(笑)? その時、「Not A TV Show」という曲で出たんですけど、ちょうどそういうタイトルで、たまたま速い曲やったんです。ものすごい速いテンポで収録したんですけど、あれは狙ってやったわけじゃなくて、Task-nが白目やったんすよ(笑)。やってる時はいつものライブぐらいのテンポ感かなと思っていたんですけど、オンエアを見て「え、速っ!」って思いました。
庄村:超いい話じゃん! じゃあ、今後諸々の条件が整えば地上波に出るのはやぶさかではないという感じなんですかね。
猪狩:むしろ出たいです。テレビが嫌とかは全くないんですけど、当て振りが嫌なんですよ。高校生くらいの時、テレビに出ている=セルアウトしている、それは違うな、みたいに思っていたんです。よくよく何が嫌かって考えたら、嘘みたいな世界やから嫌で。普通に生演奏で、口パクもなければ最高。もしそうやってやらせてもらえる機会があったら、いくらでもやりたいです。
庄村:猪狩のチャンネルとコラボとか、そういうのは全然アリなわけでしょ? いわゆる売れたいとか、頑張っていきたいバンドマンを募って飲むYouTubeがあるじゃん。政治家さんとかとやってもいいわけですよ。そういうの、すごい見たいんだよね。
猪狩:それはやりたいですね。YouTubeはバンドとは別だと思っているので、どんどんコラボしたいし、全然関係ない人……確かに政治家とかおもしろそうですね。あと、コメンテーターとかやってみたい(笑)。
庄村:多分できるよ。見たくないですか? ワイドショーにHEY-SMITH 猪狩秀平が出てるの。