D4DJ、バラバラの個性が音楽の力で一つに 豪華ユニット勢揃いのお祭りフェス『D4DJ D4 FES. LIVE -ALL IN-』レポ

『D4DJ D4 FES. LIVE -ALL IN-』レポ

 5月28・29日、D4DJの大型ライブ『D4DJ D4 FES. LIVE -ALL IN-』が富士急ハイランド・コニファーフォレストで二日間に渡り開催された。本稿では5月28日に行われたDAY1の模様をレポートする。

 この日は天候にも恵まれ、夏日となった。多くの観客が会場に足を運び、さらに配信も実施された。これまで開催してきたイベントやライブのプレイバック映像がオープニングを飾る。

Happy Around!

 最初に登場したのはHappy Around!。D4DJの顔とも言えるユニットのトップバッターでの登場に、どよめきが起こる。冒頭から「Dig Delight!!」「ぐるぐるDJ TURN!!」「LOVE!HUG!GROOVY!!」と続けてオリジナル楽曲を披露。「Happy Music♪」に「ハッピー☆マテリアル」、「ぎぶみーAwesome!!!!」に「Help me, ERINNNNNN!!」、「熱風海陸ブシロード」をマッシュアップするなどテクニカルな繋ぎを見せつつ、「行くぜっ!怪盗少女」「ムーンライト伝説」など誰もが知る名曲を織り交ぜた充実のセットリストで勝負するあたり、“D4DJとは何か”を知らしめるかのようだ。観客を巻き込み会場を一つにするアジテート、クールなDJタイムや、3人の息のあったダンスでも客席を沸かせる。最後には、ゲームに実装されたばかりの新曲「モアドキッ」をフルで披露。エモーショナルな面を見せステージを締めくくった。

 30分弱をノンストップでパフォーマンスし続けるという、脅威の体力と表現力を見せつけた。体調不良で残念ながら欠席となった渡月麗役・志崎樺音のパートを3人でカバーするなど、チームワークも抜群。終始笑顔で観客を盛り上げ、トップバッターとしても役目を十二分に果たした形となった。

 次に登場したのは、Photon Maidenだ。白を基調とした新衣装を身にまとい、颯爽とステージ上に展開。一曲目は「We never stop」だ。鍵盤のイントロでエレガンスな空気感を作り出すと、EDMサウンドに乗り、ハイレベルなダンスで場を圧倒する。

 MCを挟みながらオリジナル楽曲を次々披露。フェスのために作られたという新曲「Linked Ring」は、トレンド感を盛り込みながらもユニットの特色を反映した楽曲で、客席の温度をさらに上げる。スタイリッシュにアレンジされたカバー曲を挟みながらの繋ぎもD4DJならではのパフォーマンス。続く「暁」は、バックスクリーンに映るアニメと完璧にシンクロし、この日のPhoton Maiden最大の見せ場とも言えた。

 キレのいいラップとダンス&ボーカルで魅了した「Into the storm」、激しいダンスと熱を帯びた「4 Challenges」と最後まで笑顔でありながらクールで上質な表現に終始した。綿密に計算されたステージングで、ユニットのイメージを再現するパフォーマンスと言えるだろう。ともすれば野外フェスという形式のライブでは長所が生かしきれない可能性もある中、彼女たちは見事に個性を発揮した。

 続いてLyrical Lily。機材トラブルで一時中断した直後という難しい時間帯だったが、無邪気で明るくキャラクターに沿った“お嬢様”なMCや、笑顔あふれるファンサービスで一気に自分達の色に染め上げると、新曲「IFの踊り子」からライブスタート。キラキラとしたエレクトロサウンドにのせた可憐なダンスとキュートなボイスで魅了する。「撲殺天使ドクロちゃん」のカバーでは、激しくタオルを回し、会場のボルテージをさらに上げる。「親愛のしるし、聴いてください」と始まったのは「White Margaret」。ミニマルな音色ゆえに、4人の透明な歌声が映える。

 カバー曲メドレーでは、ポップなナンバーとクールなナンバーを織り交ぜ、「銀河鉄道の夜に」では熱さを見せる。手拍子でのコールアンドレスポンスが楽しい全肯定ソング「人間合格!!!!」から「吾輩よ猫であれ」とノンストップで繋ぎ、撮影OKとなったラストソングは「汚れちまった悲しみの色」。客席の隅々にまで笑顔を見せ、希望に満ちたエンディングとなった。

 お茶目な純真さとエレクトロサウンドの融合、キャラクターの台詞で曲を細かく繋ぐ物語性の高さも魅力的だ。バラエティに富んだセットリストに相応しく、さまざまな表情を見せ、可憐さの中にも力強さを見せた。

 黒いハードな衣装に身を包みステージに現れたのは燐舞曲だ。

 1曲目は「昊天 -koten-」。ボーカルにDJ、VJ、ギターという異色のロック系DJユニットだが、4人がステージに立つとその個性がより際立つ。

 「燐舞曲、はじめます」と静かに告げられると「名前のない怪物」「夜想曲」「unravel」と次々に展開。カバーもオリジナルも等しく燐舞曲らしい独特な世界観をステージに構築していく。

 新曲「「花の手錠と魔物の箱庭」」は初披露。ダークなテイストの中に、煌めくようなボーカルでメロディが紡がれてゆく。差し込まれる語りも強いメッセージ性と物語を感じさせる美しい楽曲だ。音色が晴れた空に広がってゆくような美しい光景であった。

 怒涛の繋ぎを見せたカバー曲メドレーで圧倒し、「カレンデュラ」「BLACK LOTUS」と人気のオリジナル曲を繋ぐと客席は大盛況。最後は「群青のフローセカ(神蕾-シン·ライ-Remix)」で締めくくり、感動的なエンディングを迎える。

 必要最低限のMCも効果的に空気を作った。高音を美しく響かせるボーカル、ハーモニー、スタイリッシュなDJに、激しく自由に奏でられるギターと、メンバーひとりひとりの音楽的素養とハイレベルなテクニックが強く打ち出された渾身のステージとなった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる