角巻わため、迷いや不安の中で見つけた“音楽”という居場所 作詞曲「夢見る羊」に込めた未来への強い意志
歌だと内なるわためが出る
ーー初めてのオリジナル曲「愛昧ショコラーテ」のリリースから2年弱経っていて、作詞経験も積んでいますが、何か変化や成長は感じますか?
角巻:2020年は2曲くらいしかオリジナル曲を作っていなかったんですけど、自分だけじゃなくて、運営さんもめっちゃ変化していて。音楽制作に特化した部署もできたりして、サポートしてくれるようになったから曲も作りやすくなったし、いろんな人に楽曲をお願いできるようになりました。でも、やっぱり曲をいっぱい作っていく上で、自分もどんどん進化していかないといけないとは思っていて。作詞もひとつの挑戦だったんですけど、いずれは曲もフルで作ったりしてみたいなぁ……みたいに思えるようになりました。
ーーわためさんにとって、歌うことの喜びってどんなところですか?
角巻:色んな楽曲を歌わせてもらえるのはありがたいなって思いますね。今みたいなオリジナル曲は、ホロライブに入っていなかったら作ること自体難しかったと思いますし。そういった面では歌えること、聴いてもらえることがありがたいし、やっぱり歌える場所があるっていうのは自分にとってはすごく嬉しいことですね。
ーー毎週末の歌枠、「わためぇNight Fever!!」も通算80回を超えました。ここまで続けてこれた理由とは?
角巻:一番はやっぱり楽しいです。もともと緊張してしまうタイプで、人前で歌うことに自信があんまりなくて。声とかも震えちゃったりブレちゃったりするんですけど、毎週歌枠をやっていれば大舞台に立ったときとかも、ちょっとでも自信が持てるんじゃないかなと思って始めたのがきっかけなんです。続けていたら、リスナーさんが間奏部分でコメントでギターをいっぱい打ってエアギターしてくれたり、ダンスしてくれたりして、一緒に作っている感じがするので、毎週やっていて楽しいです。
普段、わためはテンションが一定な感じだと思うんです。あんまりギャーっていうこともなく、オラオラっていう感じでもない(笑)。でも歌だと内なるわためが出るというか。それが楽しいですね。心のままに歌っているのが楽しい。特にロックを歌っている時の魂の叫びみたいな、綺麗に歌えなくても心で歌うみたいな瞬間がすごく気持ちいいです。
心を動かしたり、寄り添えるような歌を歌いたい
ーー昨年10月のワンマンライブ『わためぇ Night Fever!! in Zepp Tokyo』のBlu-rayが6月29日に発売されます。これはどんな公演でしたか?
角巻:ファンのみんなと一緒に作り上げた公演になったなと思っていて。自分も初めてのことだったし、多分見に来てくれるみんなも初めてのことで、どういう風にノったらいいんだろうとか、どんなライブになるのか誰も分からない状態だったと思うんです。その中でも普段みたいなやりとりをしたり、手拍子してくれたり、自然と一体になって盛り上がる、そんなあたたかいライブができたなって思います。
ーー先程人前で歌う苦手意識についてもお話がありましたが、ワンマンも緊張しましたか?
角巻:めっちゃ緊張して何回もトイレに行きました(笑)! でもマネージャーさんが、ワンマンライブだし、見に来てくれる人はみんなわためのファンだから、大丈夫ですよって。失敗してもそれはライブ感があるし、思いっきりやっていいんじゃないですかって言っていただけたおかげで楽しめました。
ーーさらに夢の舞台へのビジョンが描けたのでは?
角巻:そうですね。次にやりたいことも結構あるんです。生バンドをバックに歌ってみたいとか。あとギターをプリントしたTシャツをグッズで出して、私が「エアギター!」って言ったらそれをファンのみんなに弾いてもらうとか(笑)。声出しライブもまだやったことないので、いつかやってみたいです。
ーーライブで意識することはありますか?
角巻:自分だけが楽しくなるんじゃなくて、見てくれているみんなと一緒に楽しむことは意識していたかもしれないです。置き去りにしないというか。
ーーここまでお話を聞いていて、わためさんはすごくファン思いな方だなと思いました。ファンへの思いやりを忘れないでいられる理由ってなんでしょうか?
角巻:デビューしたての時、それこそ“クソザコ回線”で配信中に60回以上オフラインになってしまったんですけど、そんなボロボロの状態でもずっと見続けてくれた人がいたり、応援してくれている方の存在もどんどん強く感じられるようになっていて。みんな自分のダメなところも含めて支えてくれるので、自然と大事にしたいという気持ちが湧いてくるんですよね。
ーー活動をしていて、励みになることはなんですか?
角巻:自分の活動を宣伝してくれているのを見かけたり、コメントとかお手紙をくれたり、誕生日とか周年に合わせてファンアートを描いてくれたり、色紙をみんなで集めてひとつにして送ってくれたり……そういうところを見ると励みになります。自分のために時間や労力を使ってくれているんだって思うと、自分も負けずに頑張らなきゃと思います。
ーー改めて、わためさんにとってファンはどういう存在ですか?
角巻:ファンの人も言ってるんですけど、家族みたいな存在です。ファン同士もあたたかくて。YouTubeにファンクラブみたいなメンバーシップという機能があるんですけど、みんな“メンバーシープ”の輪を広げようみたいに応援してくれて、一緒に武道館に行こうみたいに思ってくれているんです。応援していただいたり、成長を見守ってくれたり、本当に家族だなって。
ーーそういうファンの輪の広がりが、VTuberカルチャー全体の広がりにも繋がっていくように思います。
角巻:そうなったら嬉しいですね。最近はいろんな場所でVTuberを見るようになったとは思うんですけど、まだコアな文化なのかなと思うこともあって。もっと当たり前の存在になれたらいいなと思うんです。インターネットから飛び出して、おばあちゃんや親世代の方々にも知ってもらえたらいいなと思いますし。テレビやフェスみたいなものに出ることが、もっと当たり前のようになったらいいなと思っています。
ーーわためさんは今後、どういう配信の場を作っていきたいですか?
角巻:一緒についていきたいと思ってもらえる存在になりたいですし、深いファンをもっと増やしていきたいです。歌で言うと、ただ上手いだけじゃなくて、聴いている人に「自分もちょっと頑張ってみるか」と思ってもらえるような、心を動かしたり、寄り添えるような歌を歌いたい。自分もポルノグラフィティさんやLiSAさんのライブに行ったときに、「明日も頑張ろう!」みたいな前向きな気持ちにしてもらったから、みんなにもそういう気持ちを持ってもらえるような存在になりたいです!
■リリース情報
『夢見る羊』
作詞:角巻わため
作編曲:堀江晶太
Vocal:角巻わため
配信はこちら
https://cover.lnk.to/Dreamysheep
公式Twitter
https://twitter.com/tsunomakiwatame
公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCqm3BQLlJfvkTsX_hvm0UmA