角巻わため、迷いや不安の中で見つけた“音楽”という居場所　作詞曲「夢見る羊」に込めた未来への強い意志

背中を押した“さくらみこ”の言葉

ーー周りのホロライブメンバーから刺激を受けたりもしますか？

角巻：そうですね。その人になりたいとかはないんですけど、自分に生かせるところは吸収していきたいし、みんないろんなところを目指して頑張ってるから、自分も頑張っていきたい。もっと新しいことに挑戦したいなとか、影響は結構受けますね。

ーー「夢見る羊」というタイトルはどういう思いでつけたんですか？

角巻：歌詞も「これから一緒にいろんな景色を見に行こう」みたいな感じで終わっていて。今は日本武道館に立つっていうのがひとつの大きい目標なんですけど、他にもアニソンタイアップとかCMとか、さいたまスーパーアリーナでライブをやってみたいとか。ひとつ叶ったらそれより大きい夢を見ていきたいなと思っているので、そういった願望とか想いから「夢見る羊」にしました。

ーーわためさんにとっての歌の存在も、活動をスタートした当初と今で変わりましたか？

角巻：そうですね。最初は本当にただ歌が好きで、歌が好きな羊なんだと分かってもらうために歌枠とか「わためのうた」っていう動画を作ったりしていたんですけど、そこから応援してくれる人が増えて。あと「武道館行っちゃえよ」みたいなことを「わためのうた」を同時視聴してたみこ先輩（さくらみこ）に言われて、「え、武道館とか目指してもいいの？」みたいな（笑）。そこから武道館を視野に入れるようになったんです。今となっては応援してくれている“わためいと”と「一緒に武道館行こうな」みたいな感じなので、自分だけの夢じゃなくなったなって思っています。

ーーファンの期待を背負っているからこそ、頑張れることもありそうです。

角巻：武道館でこういうことしたいなとか、日本にいる人たちだけじゃなくて海外にいる人にも来てほしいなとか、そういうのも想像すると楽しいです。あと、武道館に行くまでは、絶対に歌は辞められねぇなっていう覚悟はあります。中途半端なことはしたくないというか、もちろん達成しても辞める気はないんですけど（笑）。

ーー〈周りを巻き込む　そんな羊に今　なれる気がしたんだ〉という歌詞とも重なっていますね。すでに周りを巻き込む力はあると思いますが、もっと大きな存在になりたいという意気込みのようにも感じました。

角巻：夢を叶えるのって1人だけで頑張ってもいけないと思うんです。ファンの人もいっぱいいっぱい巻き込まないといけないし、あとは運営のスタッフさんとか、今回みたいに取材してくれる方とか、応援してくれるたくさんの力を借りて大きな舞台に立たせてもらってると思うので。どんどん色んな人を巻き込んでいきたいです！

もっと強気な歌詞を書いてみたいです！

ーー「夢見る羊」に限らず、わためさんが作詞されてる曲ってファンへの思いに溢れていると思うんです。わためさんにとっての作詞は、普段伝えきれていないものを表現する機会でもあるんですか？

角巻：最初はこういう歌詞を書くぞってあんまり決めてなくて。曲の雰囲気とか思いつく言葉を並べるような感じで作詞しているんですけど、自然とファンへの思いとかが詰まっちゃう（笑）。今回もこんなに自分のことを前面に出しちゃう歌になっていいのかなって思ったんですけど、自然となっちゃうんですよね。

ーーそうだったんですね。

角巻：はい。なんか……大好きみたいです、ファンのことが（笑）。

ーー歌詞を書くときの最初のきっかけはどうやって見つけているんですか？

角巻：「君色ハナミズキ」は運営さんとも話して方向性を決めたんですけど、今回の「夢見る羊」は、曲を聴いて思いつく言葉を並べたら、めっちゃいい歌詞じゃね？　みたいな。自然とできた感じなんですよね。

ーー作詞経験は「Holidays!」が最初なんですよね。そのときもあまり悩まなかったんですか？

角巻：曲としてフルで書いたのは「Holidays!」が最初でした。Aメロはどういう風に書いて、サビではどういうことを書いたらいいんだろうみたいなのは最初すごく悩んだんですけど、全体の構成を決めたら2日くらいで書けたかな。「夢見る羊」は4時間くらいでさらさらって書けたんです。

ーー早いですね。普段からメモを取ったり、本を読んだりとかしているんですか？

角巻：メモみたいなのはたまにするけど、読書はあんまりしないですね。活字を見ると眠たくなっちゃうので（笑）。でも普段から何時間も雑談配信とかをやっているので、そういうのも作詞に生きているのかもしれないです。

ーーわためさんは作詞に関して天才肌なのかもしれないですね。

角巻：そんなことないですよ！　お洒落な英語とか入れられなくて、入れてぇ～ってなります（笑）。〈アンニュイ〉くらいしか入れてないですね。〈アンニュイ〉って英語なのかな？

ーー（笑）。今後書いてみたい歌詞のテーマはありますか？

角巻：もっと強気な歌詞を書いてみたいです！　レールをぶっ壊していこうぜ、みたいな（笑）。自分でもあんまりイメージ湧かないけど。

ーーリスナーとしてはどういう歌詞に惹かれるんですか？

角巻：あまり悲しい歌は聴かないかもしれないです。ポジティブな方が好きかも。LiSAさんの「Rising Hope」とか好きです。あとは「My Song」かなあ。自分の曲ですけど（笑）。

ーーそれこそ「My Song」は、堀江さんが作編曲、作詞がUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんです。

角巻：自分の好きなアーティストさんでもありますし、堀江さんは私が好きなボカロの文化に携わって、今も第一線で走っている人なので、「本当にいいんですか？　自分の曲作ってもらえるんですか……？」みたいな驚きはすごくあります。こういう気持ちはずっと忘れたくないですね。当たり前じゃないんだぞって。