ときのそら×AZKi、天音かなた×常闇トワ、さくらみこ×星街すいせい……千差万別な魅力を発揮するホロライブユニット楽曲の強さ
VTuberの配信でファンを熱くさせるのがコラボ配信。「推しがあの人気者と!」、「推しと推しが!」、属性合わせや名前合わせ、意外性あふれる組み合わせやファン待望の組み合わせなど。キャラとキャラの相乗効果で魅力が倍増し、そこで何かが起きれば新たなストーリーが生まれる。いずれにせよコラボ両者にとっても、ファンにとってもwin-winな関係。特にホロライブには公式・非公式含めて数多くのユニットが存在し、トークやゲーム実況だけでなく歌枠でのコラボ動画も人気で、カバーにとどまらずオリジナル曲を発表して音楽ユニットとして活動するメンバーもいる。
ホロライブにおけるVTuber同士の音楽ユニットの結成は、ときのそら×AZKiによる“SorAZ”の「紅藍クロニクル」が原点的だろう。ときのそらのミニアルバム『My Loving』に収録された、初のオリジナル曲「刹那ティックコード」でのデュエットをはじめ、カバーも多く配信。真っ直ぐで力強いときのそらの歌声と、儚さと切なさをはらんだAZKiの歌声がマッチし、アーティスト活動を行うVTuberとして先駆け的な存在の2人によるコラボでファンの胸をも熱くさせ、次のオリジナル曲の配信が待たれている。
最新のユニットとなるのが、天音かなた×常闇トワのユニット“ORIO”だ。5月2日に1stオリジナル楽曲「Over Time」をリリースした。2人は昨年10月にゲーム『ディープインサニティ アサイラム』のタイアップ曲「マドロミ」で共演。壮大でミステリアスな楽曲で、儚さの中に力強さを携えた歌声を聴かせ、MVは140万回を超える再生数を記録。天使と悪魔という属性の壁を越えた4期生の絆、2人の声と世界観の相性の良さがユニット結成に繋がった。「Over Time」は、作編曲を佐藤カズキが担当。疾走感溢れるエモーショナルなサウンドで、胸をキュッと締め付けるような切なさ、自然と前を向けるようなエールが自然な形で楽曲に落とし込まれた。作詞はやぎぬまかなが手がけ、日常に感じるふとした寂しさ、離れていても通じ合っている2人の絆を感じさせ、〈ボクらは散るまでずっとサバイバー〉などVTuberとしての宿命も感じさせるフレーズも込められた。天使と悪魔である二人がそっと寄り添って、聴く者の背中をやさしく押してくれる楽曲だ。