M!LK、ライブを通して着実に重ねる成長 5人の個性と団結見せ切った『SPRING TOUR 2022 "CIRCUS"』ファイナル

M!LK『CIRCUS』ファイナル公演レポ

 M!LKが5月28日、東京・LINE CUBE SHIBUYAで『M!LK SPRING TOUR 2022 "CIRCUS"』のファイナル公演を行った。

 神秘的な青い蝶が舞い、ビッグバンド風のゴージャスなサウンドで彩られたオープニング映像。ショーの準備を進める5人が順に紹介され、み!るきーず(M!LKファンの呼称)の期待も高まったところでステージに目を向けると、階段を多用した高低差のあるセットのあちこちを、5つのスポットライトが照らしていく。ステージ全体が強い光に包まれた次の瞬間、まるでイリュージョンかのように5人がスポットライトの中に現れた。声にならない歓声をペンライトに託し、喜びを爆発させるみ!るきーず。華麗に幕を開けたM!LKのサーカスは、スウィングするホーンの音色が会場を揺らす「パッパラ・シュビドゥ・ヴァァァァァァァ」からスタートした。

 「東京最終公演、悔いのないように行くぞー!」と叫ぶ佐野勇斗のテンションを上回るほどの勢いでみ!るきーずも盛り上がる「テルネロファイター」。「ジャングリズム」では曽野舜太がシルクハットを使ったマジックを披露し、「コーヒーが飲めません」では山中柔太朗が椅子を使ったセクシーかつアクロバティックなパフォーマンスを見せる場面も。佐野が先導するクラップをみんなで楽しんだ「Good Morning Mr.Mistake」にはストンプが取り入れられ、「交差点、信号、君と僕」の冒頭は吉田仁人がじっくりとアカペラで歌い上げる。塩﨑太智は「energy」で、設置したバーカウンターで見事なボトル捌きとバク宙を決め、メンバーの個性と才能をフィーチャーした構成に目を見張るばかりだった。

 最初のMCでは、マジックやアカペラなど5人それぞれのパフォーマンスを振り返りつつ、全国7都市で開催してきた本ツアーの話題へ。各会場の空気感の違いや、『CIRCUS -another-』として開催された北海道と新潟公演の距離感がとても近く感じたことなどに触れ、吉田は「ずーっと楽しかった。いろんな場所でいろんな勉強をさせてもらった。次は10(都市)くらい行きたい」と意気込みを見せていた。

 5人のフォーメーションで楽しむダンスを披露した「君とスクロール」、佐野が「み!るきーずがいたから」と歌詞を変えて歌った「桜咲く頃には」で会場を幸せなムードに包んだM!LK。笑顔と5人の仲の良さが滲み出た2曲を届けてくれたが、インタールードを挟んで突入した次のパートでは雰囲気が一転。ダークな空気感漂うステージに真っ赤なマントを纏って登場し鮮やかに脱ぎ去ると、ここからはモノトーンの衣装でのパフォーマンスに。「MAGIC CARPET」と「君の知らない世界へ」ではエッジの効いたハードなダンスを迫力満点で披露し、それぞれの個性をフィーチャーした前半の構成とは対照的な、5人全員でガッチリと作り上げるステージングで圧倒した。ゴースト(お化け)の怖さと戦うコミカルな「gkbr」では手持ちのライト、音源よりもはるかに激しい印象に仕上がっていた「May」では赤い布を効果的に使って、楽曲の世界観を表現。全身全霊のパフォーマンスに息を飲む4曲の流れが見事だった。

 2度目のインタールードを経て登場した5人は、これぞM!LKといった爽やかなプリンス感が取り入れられたセットアップ姿に。「DEAR LIFE」、そして記念すべきメジャーデビュー曲「Ribbon」では客席とステージがひとつになって心を重ね、ポジティブなエネルギーと高揚感に包まれた「HIKARI」へと続いていった。本編最後は「Goin' Down」。客席で光るみ!るきーずのペンライトとステージを彩る星空のような照明が、幻想的で美しい光景を作り上げていた。輝く笑顔で歌い終え、オープニング同様、イリュージョンのように姿を消した5人。最後の最後まで、私たちを楽しませてくれる仕掛けと愛に満ちたステージだった。

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