Yasutaka、なとり、masa……TikTokで存在感放つ新世代シンガーソングライター 近年のバズの傾向を探る

 近年、CDや配信で楽曲をリリースしていなくても、TikTokでの“バズ”をきっかけに知名度を上げるシンガーソングライターが増えている。

 TikTokにおける楽曲のバズには、楽曲の再生数を回してくれるユーザーの存在が欠かせない。特にTikTokをアクティブに使いこなす若年層は、バズり曲を使った“踊ってみた”動画だけでなく、日常をVlogのように切り取って、次々と新しい流行を投稿に取り入れている。また、TikTok内で注目されているシンガーソングライターのなかには、楽曲と本人のキャラクターで何万ものフォロワーを持つ者もいる。

 Apple MusicやLINE MUSIC、Spotifyなど、サブスクの音楽配信サービスが主流なこの頃。固定のアーティストの曲をCDで聴くよりも、シャッフルで新しい曲に出会うという音楽の聴き方がメインになり、常に新しい曲やアーティストに出会えるようになった。しかしその一方、刺さらなければスワイプして“サヨナラ”になるのが現状。そんななか、音楽配信サービスとは違い、映像で視覚的にも訴えられるのがTikTokの特徴と言える。

 本稿では、TikTokでVlog系の投稿に使われているアーティストや、オリジナルソングのみを投稿しているシンガーソングライターを挙げながら、近年のTikTokにおけるバズの傾向に触れていきたい。

 Yasutakaは、いい意味でものすごく“普通”っぽい。投稿に映り込んでいるインテリアや服装からはそんな印象を受けるが、どの投稿も1音目でグッと心を掴んでくる。部屋着のようなリラックスした格好で、キーボードの前に崩して座り素足でペダルを踏む姿や、引っ越しの段ボールを背景に演奏する姿にも親近感が湧く。しかし、サウンドを聴いた途端、とんでもない天才が音を味わっている姿のように感じるのである。

 カバー曲の動画が多い彼だが、オリジナル曲やビートメイクの類の投稿は「そうくるか」とニヤけてしまうようなオリジナリティがある。

@yasutakapollon_ 目覚まし時計がうるさかったのでセッションしました。#目覚まし時計#セッション#ラテン#キーボード ♬ original sound - Yasutaka

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