Sexy Zone、日向坂46、millennium parade、chelmico、BoA……今週リリースの新譜5作をレビュー

chelmico『gokigen』

 tofubeatsとの共作による配信曲「Meidaimae」を含む、約2年ぶりのオリジナルアルバムが到着。LAを拠点とするアーティスト・NVDESとのコラボレーションによる「Roller Coaster」ではラテンのフレイバーを感じさせるビートとともに、まるでジェットコースターのような日々を乗りこなす意思を示し、DJ FUMIYA(RIP SLYME)が参加した「O・La」では、バウンシーかつエキゾチックな音像のなかで〈どうでもよくない?意味とかない〉というラインをしなやかに描き出してみせる。毎日がきついのは当たり前、未来に対する希望も見えないけど、タフさとユーモアとラップの技術を駆使して、どうにかご機嫌をキープする。このアルバムには、ちょっとでも日々を楽しくラクにするヒントが詰まっていると思う。(森)

chelmico - O・La [Official Music Video] / track produced by DJ FUMIYA (RIP SLYME)

BoA『The Greatest』

 今回の日本デビュー20周年記念ベストアルバムには、10曲のセルフカバー曲が収録されている。例えば、リズムの解釈が大胆に一新され、サウンドの質感がシャープに洗練された「抱きしめる -The Greatest Ver.-」や「LISTEN TO MY HEART -The Greatest Ver.-」が象徴的であるが、今作で鳴っているのは、かつて慣れ親しんだ名曲たちではなく、2022年に響く必然性を秘めた最新型のダンスチューンだ。また、シックなブラスサウンドによって、鋭く刺さる楽曲から深く沁み渡るナンバーへと大きく生まれ変わった「Sweet Impact -The Greatest Ver.-」をはじめ、35歳となった今の彼女が歌うことで表現の厚みが格段に増した曲も多い。そして極め付けは、2つの新曲「The Greatest」と「My Dear」である。クールかつキュートな魅力がそれぞれの楽曲で炸裂していて、その振れ幅に改めて驚かされる。数々の韓国出身アーティストがグローバルで躍進する2022年において、彼女の最新の表現を結実させた今作がリリースされることの意義はとても大きい。(松本)

BoA ボア 'The Greatest' MV

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