日向坂46、現22人体制ラストシングル「僕なんか」に溢れるグループ愛 小坂菜緒や渡邉美穂へのメッセージを読み解く

 5月11日にリリースされる日向坂46の7thシングル『僕なんか』の活動をもって、2期生の渡邉美穂がグループから卒業することを発表。現体制22人のメンバーでパフォーマンスする、最後のシングル曲となった。本稿ではこのタイミングにおける、同曲の魅力を考えてみたい。

 「僕なんか」は、約9カ月ぶりに活動を再開した2期生の小坂菜緒が5度目のセンターを務める。作詞は秋元康、作曲は温詞。センチメンタルなサウンドが印象的なミディアムナンバーで、4月4日に公開されたMVはたった1日で100万回再生数を突破するなど、大きな反響を呼んでいる。

 MVは、小坂が1人部屋で動画編集をしているシーンから始まる。そのモニターでは、日向坂46メンバーが踊っていて、中盤になるとパフォーマンスに魅せられた小坂が、画面の中の世界へと入り込み、メンバーと合流。ラストシーンでは周囲にそびえ立つビルが消え去り、メンバーたちは開けた景色の中で、伸び伸びとパフォーマンスを行っている。

 まず活動休止明けの小坂を迎え入れるシーンは、なんともファンの胸を熱くさせるだろう。東京ドーム公演1日目の冒頭と同じように、“小坂が戻ってきた”ことを強く実感できる象徴的な場面だといえる。切ない曲調だが、MVではメンバーの輝く笑顔も印象的で、グループ全員でここからまた前に進んでいこうとする、力強さを感じることができる。

 特筆すべき点は今回のフォーメーションではないだろうか。フロントメンバーには初めて3期生の上村ひなのと、キャプテンの佐々木久美が配置された。4月3日に放送された冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)では、佐々木久美が「私なんかがフロントで大丈夫かな。日向坂に迷惑がかからないかなっていう気持ちです」と話す場面があったが、キャプテンが1列目に立つことに、ファンもメンバーも異論はないはず。しかしながらどこまでも謙虚なキャプテンのこの姿。たくさんの人に愛されるグループの強さはここにあると、確信することができた。

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