“JOSUKE”とは何者か? 世界規模のスケールを確立するシンガーソングライター/起業家、そのキャリアと音楽性に迫る
佐藤丈亮のソロプロジェクト、JOSUKE。抜けの良いハイトーンボイスを武器に、2018年に同名義での音楽活動をスタート。以降はコンスタントに楽曲を発表し、今年1月には自身初のアルバム『Beyond The Sin』をリリースするなど着実にステップアップを重ねてきた。現時点ではまだ知る人ぞ知る存在のJOSUKEだが、その経歴や音楽性を掘り下げていくと、実は昨今のJ-POPシーンの中でもかなりユニークな立ち位置にいるアーティストであることがおのずと浮かび上がってくる。
まず特筆すべきは、JOSUKEがシンガーソングライターであると同時に起業家としての顔も持ち合わせている点。インターネットの黎明期からパソコンに親しみ、高校生になると自身でホームページの制作やプログラミングを行うようになったという。高校卒業後は現在の音楽活動の礎とも言えるバンドの結成をはじめ、ラジオパーソナリティやモデルなど様々な肩書きにチャレンジしていったそうだが、持ち前のクリエイティビティを生かす形で2011年、自らが代表取締役を務める株式会社アーティファクトリー(現:アートリー)を設立。同社ではWebサービスやシステムの開発などを推進し、成長著しい日本のIT業界の一翼を担っている。
そんなアートリーが全面的に仕掛けるJOSUKEも言わば、彼自身が自由にプロデュース力を発揮する“コンテンツ”として華麗に機能を果たしている。作詞作曲はもちろんのこと、ミュージックビデオのディレクションやブランディングに至るまでJOSUKEが主体となって担当。神秘性とアートな世界観が重なる作品の数々はYouTubeやSNSなどを通じて海を越え、今や世界各国のファンがリアクションするほどのスケールを確立している。
現時点での最新作にあたる1stアルバム『Beyond The Sin』には、既発曲のリマスターを含む全11曲を収録。一言で表すなら、洋邦のトレンドと昔懐かしい要素が一体化したセンセーショナルな作風だ。特にアルバム前半は切れ味抜群のシンセサウンドが猛威を振るうEDMゾーンになっており、ミステリアスな彼のビジュアルともマッチした「花化粧」、メロディアスな旋律と荒々しいリズムが融合した「CELESTIAL BLUE」あたりは、近年活躍しているK-POP勢や、BE:FIRST、Da-iCEといった今をときめくダンスボーカルグループの音楽性との類似性を少なからず見出せるだろう。トラップビートがサイケデリックに舞う「BREATH」をはじめ、アルバム後半にもパンチの効いたダンスチューンが控えているので油断は禁物だ。