“JOSUKE”とは何者か？　世界規模のスケールを確立するシンガーソングライター／起業家、そのキャリアと音楽性に迫る

　他方、R&Bを思わせる甘美なナンバーもスタンバイ。トロピカルな音色と悠然としたボーカルが緩やかに流れ、かと思えば突如としてダブステップへと変調する「蜉蝣」を筆頭に、JOSUKEのエモーショナルな歌心にアプローチできるクリスマスバラード「セレナーデ」、ひときわキャッチーなムードが躍る「夢の中で」や「Love Song For You」など、ドラマティックな構成もさることながら、情景豊かに綴られた詞世界への没入感もひとしおなラインナップに。インターナショナルスクール出身だけあり、英語を使用したパートも積極的に盛り込んでいるJOSUKEだが、これらの楽曲においては日本語特有の奥ゆかしい響きにフォーカスを当てた歌唱が徹底されており、彼自身の感情表現に対する強いこだわりが見て取れる。

　そして何より、ロックの要素の注入。これこそがJOSUKEの音楽をオンリーワンの次元へと巧みに差し向ける決定打となっている。「届かぬ想いに遊みながら」「SEVENTH HEAVEN」「Melody」ーーこのあたりの楽曲はサウンドこそ打ち込みによるそれだが、鈍重なギター演奏にそのまま差し替えても何ら違和感のないほどラウドかつ立体的な疾走感に溢れており、聴けば聴くほど摩訶不思議な刺激が身体を駆け巡る。現にJOSUKE自身、青春時代にはビジュアル系ロックバンドからの影響を多分に受けたそうで、歌い出しのニュアンス一つをとっても、LUNA SEAやDIR EN GREYらが刻んできた90年代邦Vロックの歴史を鮮烈なまでに彷彿とさせるのが面白い。EDMの流儀に慣れ親しんだリスナーも、このカオスなドッキングにはきっと度肝を抜かれるに違いない。

　キャリアと音楽性、その両方で特異性を極めるJOSUKE。『Beyond The Sin』が無事にリリースされたことで、自社と連動したこのアーティストプロジェクトは今後、またしても加速度的に変貌を遂げていくのだろう。次なるステージは日本か、はたまた世界か。引き続き、その個性派なセンスに注目したい。

■リリース情報
JOSUKE
1st ALBUM『Beyond The Sin』
配信中
配信サイト一覧

＜収録曲＞
01. Intro
作曲＆Mix：菅原一樹（anre*f Inc.）
02. 花化粧 (2022 Remaster)
作詞・作曲：JOSUKE（ARTORY Inc.）編曲：菅原一樹（anre*f Inc.）
Mix：澤本哲朗（Aobadai studio inc.）
03. 届かぬ想いに遊みながら
作詞・作曲：JOSUKE（ARTORY Inc.）編曲＆Mix：菅原一樹（anre*f Inc.）
04. SEVENTH HEAVEN
作詞・作曲：JOSUKE（ARTORY Inc.）編曲＆Mix：菅原一樹（anre*f Inc.）
05. CELESTIAL BLUE
作詞・作曲：JOSUKE（ARTORY Inc.）編曲＆Mix：菅原一樹（anre*f Inc.）
06. 蜉蝣 (2022 Remaster) 
作詞・作曲：JOSUKE(ARTORY Inc.)
編曲：Yocke（High Kick Entertainment Inc.）Mix：滝澤武士（High Kick Entertainment Inc.）
07. セレナーデ (Piano Vibe Remix)
作詞・作曲：JOSUKE（ARTORY Inc.）編曲＆Mix：菅原一樹（anre*f Inc.）
08. BREATH
作詞・作曲：JOSUKE（ARTORY Inc.）編曲＆Mix：菅原一樹（anre*f Inc.）
09. 夢の中で (2022 Remaster)
作詞・作曲：JOSUKE（ARTORY Inc.）編曲：菅原一樹（anre*f Inc.）
Mix：澤本哲朗（Aobadai studio Inc.）
10. Melody
作詞・作曲: JOSUKE(ARTORY Inc.）編曲&Mix：菅原一樹（anre*f Inc.）
11. Love Song For You
作詞・作曲: JOSUKE(ARTORY Inc.）編曲&Mix：菅原一樹（anre*f Inc.）

ボーカルディレクション：山本未季
全曲マスタリング：吉良武男（TEMAS）

■関連リンク
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株式会社アートリー