ブラックビスケッツ「タイミング ~Timing~」カバーがバイラル好調 Klang Rulerによる90年代リバイバルの体現

 そんな、90’sのアイコンのひとつともいえるブラックビスケッツの「Timing」を現代によみがえらせたのは、Z世代を代表するプロデューサー yonkey率いる5人組バンド・Klang Ruler。ローファイな質感にアレンジされた今回のカバーは、ノスタルジーを感じさせながらも、現代のトレンドのDIY的なあたたかみのある雰囲気を上手く表現している。そして、リズム隊を強調したグルーヴィーなアプローチを実践するなど、原曲の踊りだしたくなるようなポップさがディスコポップ調に再解釈されており、しっかりKlang Rulerらしい音像に落とし込まれている。また、興味深いことに、テレビ番組が火付け役となり大きなヒットに結びついた原曲とは対照的に、Klang Rulerの「タイミング ~Timing~」は、TikTokでの人気が楽曲のヒットにつながっている。Billboard JapanのTikTok Weekly Top 20をみると、3週連続で首位を獲得していることからも、TikTokを震源地として、Spotifyのようなサブスクにもその人気が伝播している様子がわかる(※1)。

Klang Ruler - タイミング 〜Timing〜 (Cover)

 懐かしさを感じる世代にも、逆に新鮮に感じる世代にも幅広くリーチしたKlang Rulerの「タイミング ~Timing~」は、昨今の90年代リバイバルを体現したような一曲。単なる懐古主義ではなく、現代へのアップデートを経て、往年のヒット曲が世代を超えて楽しまれる様子は、時代が一周したというより、しっかり時代が前に進んでいる感触をもたらしてくれる。

※1:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/110740

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