ブラックビスケッツ「タイミング ~Timing~」カバーがバイラル好調 Klang Rulerによる90年代リバイバルの体現

参照:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(4月7日公開:3月31日~4月6日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:Kim Taeri, Nam Joohyuk, Bona(WJSN), Choi Hyunwook, Lee Joomyung「With」
2位:RYKEYDADDYDIRTY「ALL GODS BLESS ME」
3位:池田智子 × TENDRE「水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal」
4位:汐れいら「センチメンタル・キス - Acoustic ver.」
5位:Klang Ruler「タイミング ~Timing~」
6位:BE:FIRST「Bye-Good-Bye」
7位:TAEIL「Starlight」
8位:4★TOWN(『私ときどきレッサーパンダ』より)Jordan Fisher, Finneas O’Connell, Josh Levi, Topher Ngo, Grayson Villanueva「Nobody Like U」
9位:(G)I-DLE「TOMBOY」
10位:kZm × 佐藤千亜妃「今夜はブギー・バック nice vocal × 水星」

 懐かしくも新しい90年代リバイバルが、ファッションだけでなく、音楽業界にも到来しているようだ。今週のSpotifyウィークリーバイラルチャートから読み取れる90年代リバイバルの兆しに注目してみよう。

 1990年代を舞台に若者たちの愛と青春を描き出した韓国ドラマ『二十五、二十一』が話題を集めるなか、90’sテイストを織り込んだOST(Original Sound Track)がチャートを賑わせている。今週首位を獲得した「With」だけでなく、チャートを50位まで見渡すと7位「Starlight」、12位「Your Existence」、17位「Stardust love song」、21位「Go! 」の4曲が『二十五、二十一』のOSTだ。

 また、日本からは1990年代のアンセム、小沢健二とスチャダラパーの「今夜はブギー・バック」と2010年代のアンセム、tofubeatsの「水星」をマッシュアップした、「水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal」「今夜はブギー・バック nice vocal × 水星」の2曲がトップ10圏内にランクイン。歌唱を担当するのは、池田智子 × TENDRE、kZm × 佐藤千亜妃と、2020年代テイストにアップデートされており、1990年代から2020年代までのカルチャーを横断した象徴的な楽曲に仕上がっている。

ほろよい飲んでなにしよう? 池田智子×TENDRE ver.60s
ほろよい飲んでなにしよう? kZm×佐藤千亜妃 ver.60s

 そして、「今夜はブギー・バック」や「水星」がマイナーからメジャーへの架け橋となった楽曲に位置づけられるとすると、今週5位にランクインしたKlang Ruler「タイミング ~Timing~」は、いわば1990年代のメジャーど真ん中。原曲にあたる「Timing」は、1998年リリースのブラックビスケッツの代表曲で約148万枚以上売り上げた大ヒット曲だ。日本テレビ系『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』内でウッチャンナンチャンの南原清隆、キャイ~ンの天野ひろゆき、ビビアン・スーの3人によって結成された番組企画ユニット・ブラックビスケッツは、番組の人気と相乗効果で、同番組企画ユニットのポケットビスケッツとともに90年代後半の音楽チャートに多くのヒット曲を送り込んだ。

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