BTS、7人が生配信で語ったグラミーの裏側 どんなピンチが訪れてもベストを尽くすスタンス
BTSが4月3日(日本時間4日)に開催された第64回グラミー賞授賞式で、渾身のパフォーマンスを披露。ノミネートされていた「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門」の受賞は惜しくも逃す結果となったものの、スタンディングオベーションで沸いた「Butter」のステージングに、改めて彼らの“持っている”ところを見せつけられたような気がした。そんな彼らを見ていると、2022年のグラミー賞では受賞とはまた違った形のものを手にできたのではないかと思えてくる。
BTSが見せる、ベストを尽くし自分たちを愛すること
BTSがあの舞台に立つまで、心配は尽きなかった。3月18日にはJINが左手人差し指の筋を損傷するケガを負い、3月24日にはJ-HOPEが、そして3月29日にはJUNG KOOKが新型コロナウイルスに感染したことを発表。7人揃った姿が見られるかどうかも不安視されていたほどだ。
だが、いざ本番を迎えたらこれまで見た、どの「Butter」とも違う姿で、私たちの度肝を抜いてくれた。歌詞からインスピレーションを受け、“観客の心を盗む”というコンセプトで繰り広げられたスパイ風の演出で、JINのケガをカバーしつつ、6人がレーザー光線をくぐり抜け、ジャケットを複雑にからめ合わせたダンスを披露。
まるでミュージカル作品を見ているかのような立体的なステージングとなった。「7人でステージに立てるのだろうか……」と危惧していたことさえも、何が起こるかわからないハラハラ感としてパフォーマンスを盛り上げる要素になったとも言いたくなる、見事なものだった。
どれだけのピンチが訪れたとしても、彼らの中で今できるベストを尽くすというスタンスを、この大きな舞台で再確認させられたように思えるのだ。もちろん、トラブルなく最高の状態で迎え、そこに素晴らしい評価がつけば嬉しいのは確か。だが、たとえそうではなかったとしても、現状の最高を目指す。そして“LOVE YOURSELF(私自身をまず愛する)”をひたむきに貫いてきた。
常にいい状態が維持されるわけではないこの世界で、BTSが果敢にそのチャレンジを続けていることこそが、多くのARMY(ファン)の心を掴んで離さないのではないか。彼らは何度でも転ぶし、何度でも立ち上がる。そのスタンスが、直前まで不安視された今回のグラミー賞のステージにこそ凝縮していたように思う。
いつもどんなときも、ARMYと共に
昨年の「Dynamite」に続く、2年連続でのグラミー賞ノミネート。世界最高峰と謳われる舞台でも堂々たるパフォーマンスを披露するだけの人気と実力。誰もが認めるグローバルスターとなった彼らだが、こうした大きなステージを終えた後には、いつもV LIVEでARMYのもとに来てくれるのもBTSらしい部分だ。
4月4日も、7人揃って生配信をスタート。やりきった気持ちと同時に、やはり残念な思いなど、抱えているのが包み隠さずARMYに届けられる。隔離中のJ-HOPEやJUNG KOOKは各自の部屋で練習し、準備期間中は4人で振り付けを確認する日々が続いたこと。そして全員で合わせることができたのはたった1日だったとも明かされる。
また、あの大きな見どころとなったジャケットプレーは3回やって1回成功するほどの難易度で、SUGA曰く「すっきりと終わらせることができたのは1回もなかった」とも。そんなバラバラな状況で、お互いを恋しがる彼らの仲睦まじい姿も愛らしかった。いつもチーム長として練習を牽引するJ-HOPEがいないと「僕は眠くなるんだ」なんてVが冗談めかして話す場面も微笑ましい。