八木海莉、1st EP『水気を謳う』は高いポテンシャル示す作品に 自身で作詞作曲手掛けた全曲を最速先行レビュー

八木海莉、1st EP『水気を謳う』先行レビュー

 どこかアンニュイな雰囲気の「Sugar morning」は、シンガーソングライターとしての幅の広さが感じられるミディアムチューン。“穏やかな憂い”と呼ぶべき旋律のなかで、捉えどころのない不安をナチュラルに滲ませる歌声、そして、〈機能しない昨日を招いたせいで〉といったリズミックな言葉のチョイスにも注目してほしい。

 個人的にもっとも心に残ったのは、4曲目の「海が乾く頃」。80年代のニューミュージック、シティポップの流れを感じさせる、洗練された懐かしさをたたえた楽曲だ。AOR、ジャズ、ファンクを取り入れたサウンドメイクも素晴らしいが、軸になっているのはやはり、八木のボーカリゼーションと歌詞。日本語の響きを活かしたフロウ、そして、〈会って話そうよ/時間を忘れてしまうくらいに〉というフレーズで現在の社会のムードや人々が求めているものを照らし出すセンスには本当に刮目させられた。

 その他、「お茶でも飲んで」をボサノヴァ的にリアレンジした「お茶でも飲んで-Chinese tea ver-」、通常盤のボーナストラックとしてボカロP・ふるーりの提供曲に八木が歌詞を乗せた「ダダリラ」を収録。さらに初回限定盤には、「お茶でも飲んで」のMVと、2021年9月に行われた配信バースデーライブの映像を収めた特典Blu-ray付き。披露されている楽曲は「フロントメモリー」(神聖かまってちゃん)、「チーム子ども」(黒子首)などのカバー、さらに「Sing My Pleasure」「お茶でも飲んで」など。キーボード、ギター、トラックによるシンプルな編成とともに、彼女の色彩豊かな歌の表現を堪能できる。

 2022年9月4日、19歳最後の日には初の有観客ワンマンライブ『八木海莉 First One-Man Live -19-』(東京・duo MUSIC EXCHANGE)の開催も決定。現代的なポップセンス、中毒性のあるソングライティング、そして、凛とした強さと美しい儚さを行き来する歌など、アーティストとして大きな可能性を持っていることは疑いようがない。今年20歳になる彼女がこれから生み出す楽曲を多くの音楽ファンとともに共有したい。

■リリース情報
1st EP
八木海莉『水気を謳う』
2022年4月27日(水)リリース

【初回生産限定盤(CD+BD)】
¥2,200(税込)/KSCL-3354~3355
<CD>
お茶でも飲んで
SELF HELP
Sugar morning
海が乾く頃
お茶でも飲んで -Chinese tea ver-

<BD>
『YouTube Live : お茶でも飲んで』ライブ映像
お茶でも飲んで
フロントメモリー
チーム子ども
Sing My Pleasure
Harmony of One's Heart
Sugar morning

お茶でも飲んで Music Video

【通常盤(CD)】
¥1,650(税込)/KSCL-3356
<CD>
お茶でも飲んで
SELF HELP
Sugar morning
海が乾く頃
お茶でも飲んで -Chinese tea ver-
「ダダリラ」(BONUS TRACK)

予約はこちら:https://kmu.lnk.to/VeqaaP5h 

■ライブ情報
『八木海莉 First One-Man Live -19-』
2022年9月4日(日)duo MUSIC EXCHANGE
開場16:30 / 開演17:00
チケット:指定席 ¥5,500(税込、ドリンク代別)
問:DISK GARAGE TEL:050-5533-0888(平日12:00~15:00)
※本公演は政府や各自治体によるガイドラインに従いながら新型コロナウイルス感染予防対策を徹底し有観客にて開催致します。

■八木海莉公式リンク
HP: https://yagikairi.com/
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCpuMbQe3VhIpg22sbNbHQKQ
八木海莉Twitter: https://twitter.com/kairiyagi_
八木海莉STAFF Twitter: https://twitter.com/yagikairi_staff
Instagram: https://www.instagram.com/reu__loon/

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