ザ・リーサルウェポンズ、全力パフォーマンスでお祭り騒ぎ 『ポンズの野望・全国版』ツアーファイナル公演

ザ・リーサルウェポンズ、ツアーファイナルレポ

 ザ・リーサルウェポンズの全国ツアー『ポンズの野望・全国版~もうがまんできねえ~』のファイナル公演が、3月21日に恵比寿リキッドルームで行われた。

 ステージには幕が貼られており、開演時間をすぎるとツアータイトルの元ネタと思われる「信長の野望」シリーズをイメージしたシュールなオープニング映像が映し出された。シュールな内容で笑いに包まれる会場。映像が終わると、サイボーグジョー(Vo)とアイキッド(Gt)が勢いよくステージに出てきてライブがスタート。1曲目の「80年代アクションスター」から、盛り上がりのピークではと思うほどの熱気で会場を包む。観客はほぼ全員が拳を上げ、タイミングよく手拍子している。メンバーも全力で熱いパフォーマンスをしているが、ファンも負けじと全力で応えているのだ。そんな客席の盛り上がりの凄まじさも、彼らのライブを作る要素なのだろう。2曲目の「ポンズのテーマ」ではアイキッドがギターを置き、両手にスモークガンを持って客席に発射したりと、歌や演奏だけでなく演出でも盛り上げていた。

 序盤からフルスロットルで演奏をしてしまったからか、最初のMCですでに息を切らしている2人。しかし、まだまだ彼らはひたすらに盛り上げる。「東海道中膝栗毛」ではサビで三三七拍子の手拍子をしたり、「Super Cub is No.1」ではタイミング良く拳を上げたり、サビの歌詞に合わせて人差し指を上げたりと、メンバーもファンも同じように動いて一体感を高めていく。たった2人でステージに立っているが、彼らがロックをしっかり体現していることと、ロックを愛する人がファンであることを証明するような盛り上がりだ。それでいて、親近感が湧くキャラクターや歌詞も魅力である。「半額タイムセール」では、演奏後にアイキッドが「この歌は実体験で、都立家政のマルエツで(商品が)半額になるのを待っている時の出来事」と裏話を披露。誰もが経験したことがあるであろうエピソードで、共感を呼ぶ。また「シェイキン月給日」は、サイボーグジョーが「みんな!お金は好きですか?」と煽ってから披露された。やはり彼らはロックを奏でつつも、人々の日常に寄り添う音楽をやっているのだ。ここまでひたすらに盛り上げた2人だが、「雨あがる」では美しいメロディを繊細に歌い、観客を感動させた。ユーモアに溢れたロックユニットではあるが、音楽に対しては真剣なのだ。アイキッドも「名曲だな」と自画自賛し、サイボーグジョーは「先生!ナイスギター!」と褒めた。

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