モノンクル、カバー曲から新曲まで披露したリリースパーティー 心からいいと思える音楽を届けていく姿勢

モノンクル、リリースパーティーレポ

 3月10日、WWW Xにて『モノンクル "salvation" RELEASE PARTY』が開催された。小川翔(Gt)、田中航(Dr)のサポートを迎えバンドセットで行われたこの日は、モノンクル史上一番多くの楽曲を披露したという。アニメ『ヴァニタスの手記』EDテーマに起用されているニューシングル曲「salvation」を含めたバラエティ豊かな全19曲を演奏した。

モノンクル

 ライブは「カバー曲からお送りします」とモーニング娘。の楽曲「抱いてHOLD ON ME!」で開幕。2曲目には初披露の新曲「Guinga」を吉田沙良(Vo)が手拍子を求めながら颯爽と歌い上げ、序盤から自由なセットリストで楽しませた。

 〈流れてくビートは 留まらないから 歩き始めようか 次の未来へ〉と歌う「Every One Minute」では、歌詞を表すように一歩踏み出したくなるようなベースが角田隆太によって奏でられる。続いて「みんな元気ですか?」と挨拶を挟むと、ジャジーなバラード「ずるいよ」へ。叶わない恋の行き場のない想いが溶けていくように、歌声の語尾に余韻が残る。その切実さに勝るほどの、吉田の歌声とバンドが織り成すグルーヴの気持ちよさでオーディエンスを楽しませた。

 角田のPushさばきが光った流麗なピアノイントロののちに「空想飛行」を披露すると、〈今日をやりすごせ〉と繰り返す「異星人」へと続く。ドラムパッドとPushの音色がボーカルの生命力を目立たせた前半と、バンドがテンションを高めたのちに静かな歌声で締める後半というダイナミックな表現で魅了した。

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 初披露の新曲「Detroit」と「何度でも繰り返し夢見る」がシームレスに展開された場面は特に圧巻であった。静かでありながらひしひしと強い意思を感じる「Detroit」のボーカリゼーション、〈何度も繰り返し 同じ夢を見てたい〉など〈何度でも繰り返し〉が多用されるサビが存在感を醸す「何度でも繰り返し夢見る」。静謐で神秘的な雰囲気を作り上げた。

 この日の会場であった渋谷について、「変化することの象徴みたいな街」と印象を口にした角田。そんな渋谷の再開発をテーマにしたという「RELOADING CITY」では、〈街の隙間 すりぬけ羽ばたいてゆけ〉とおおらかに歌う。変化を恐れず、様々な音楽を演奏してきたモノンクルを象徴するかのような楽曲を通して、生き生きとしたパワーをオーディエンスと共有した。

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