Liyuu、歌に乗せたデビューから今までの感謝の思い 夢を一つ叶えた1stコンサート
『ラブライブ!スーパースター!!』の唐可可(タン クゥクゥ)役としても活躍、同作品に登場するスクールアイドルグループ・Liella!のメンバーとしても活動するLiyuuが2月11日、パシフィコ横浜 国立大ホールで1stコンサート『Liyuu First Concert 2022「Fo(u)r YuU」』を開催した。2月9日にリリースしたばかりの1stアルバム『Fo(u)r YuU』からの楽曲を中心に全14曲を披露、MCではデビューからの2年を振り返り、感極まって涙ぐむ場面も。ファンへの感謝の気持ちを伝え、夢を一つ叶えた日となった。
エレクトロのダンスビートに乗せて、これまでの活動のハイライトがビジョンに映し出される。そこへLiyuuが登場すると、会場はピンクのペンライトで染まった。1曲目は“Kawaii”をテーマにした「ルルカワイマ」。タイトルは「マイカワイイルール」という意味で、この日の1曲目にぴったりの選曲だ。冒頭2曲はとても緊張したというLiyuuだが、MVにも登場したクマのクッキーとウサギのマシュマロ、そして彼女が命名した女性ダンサーチーム“MIXクレープ”の8人も一緒に踊ってステージを盛り上げる。続いて披露された2ndシングルのカップリングナンバー「Cherish」は、サビのキャッチーなダンスが印象的。自分のことをもっと知って欲しいと歌った歌詞で、〈わたしの居場所をください〉というフレーズも。まるでここが自分の居場所であることを確認するように、気持ちを込めて歌う姿が実に可憐だった。
「緊張してます。この日が来ちゃいました。現実ではないみたいです。不安でドキドキしながら準備しました。声も震えているし。ここからもっと頑張ります」。興奮冷めやらぬ様子で、最初のMCは言葉が溢れて止まらない。また、この日の様子はbilibiliでも生配信されており、画面に向かって中国語でメッセージを伝える場面も。故郷との行き来が難しい中、海の向こうで見守る家族や友達に晴れの舞台を見てもらえたことは、きっとすごく嬉しかっただろう。さらにライブ前日に降った雪の影響などで来られなかったファン、現在の状況で来日できなかった海外にいるファンへ気遣いを見せる場面もあり、彼女の優しく温かい人柄が伝わった。
続いて、普段はロックの曲をあまり聴かない彼女がチャレンジしたロックナンバー「BLUE ROSE」「Ambition」で、一転してクールな一面を見せてくれた。「自分の中の一番強い気持ちを込めました」と言うLiyuu。チェック柄のジャケットを羽織り、手を力強く握りしめて歌う姿が印象的だった。そんなLiyuuを照らす、華やかなレーザービーム。拳を振り上げれば、ファンがペンライトを掲げてそれに応え、声にならないコール&レスポンスが繰り広げられた。
ガムを食べると不思議な世界観に迷い込んでしまい……といった映像を交えて歌った1stシングルのカップリング曲「魔法とガムと勇気」。ゆるさのあるラップも聴かせた「めたもるふぉーぜ」ではフワフワとした可愛らしい世界観を表現。MCではラップについて「最初は曲を聴いても何を言ってるか分からなかったけど、練習していくうちに好きになった」と話す。可愛さと格好良さが融合した独特な心地良さを感じられるラップは、Liyuuの魅力の一つと言っていいだろう。
中盤は、物語の主人公を演じるような雰囲気で、コスプレイヤーとしてキャラクターになりきる経験や声優としての演技の経験が、新たな形で実を結んだと言える。デビュー前に担当した『ドラガリアロスト』のキャラクターソング「Across The World」は、ファンタジー感たっぷり。ビジョンに映し出された、どこかハニかんだような微笑みは、きっと多くのファンの胸をキュンとさせたに違いない。「カルペ・ディエム」を始め、Liyuuの楽曲を多数手がけるクリエイター・JUVENILEの楽曲に参加した「ミラールージュ feat. Liyuu」では、ビジョンに姿見越しに彼女を映したり、ベッドに腰掛けながら歌うなど、部屋のセットで楽曲の世界観を再現。そして、大切な人を思う温かい気持ちを歌った「花鳥風月」は、木漏れ日の中で歌うような雰囲気で、温かく優しい気持ちが会場を包む。白いブランコに揺れながら歌った後、少し立ち止まってブランコを名残惜しそうに見つめる仕草を見せるなど、楽曲のイメージを見事に表現していた。