ウルトラ寿司ふぁいやー、“ネタも音楽もてんこ盛り”魅力満載の渋谷WWWワンマン
換気休憩を挟んで再開された第二部は楽器隊によるCBCラジオの交通情報テーマソング「Far Out」の演奏からスタート。各セクションの見せ場も盛り込まれ、それぞれのスキルを見せつける。この地肩があればこそ、彼らのパフォーマンスは成立するのだということを改めて実感していると、さらに自己紹介を兼ねたソロ回しではメンバー全員ちょっと捻ったプレイで個性をアピールする。メンバーのみならずPAや照明スタッフまでもがソロを披露しているのにはさすがに笑った。こんなこと考えるバンド、他にいない。
元旦のTV出演を振り返ってしょーりんの声出し(シャワールームに入って「イー!」と叫ぶだけ)を再現してみせる一幕を挟み、ムーディーをコンセプトに放送したラジオ特番にちなんで「ムーディーとの闘い」を繰り広げるコーナーへ。ムーディーにアレンジされた「KIRIDANCE」や加部輝のアコースティックギターが柔らかくフロアを包み込む「めっちゃええ歌詞」、そしてしょーりんによる感動的なMCから「両親に向けて書いたバラードを聴いていただこうかなと思います」と「幸せになれ」へと入っていく。想いの込められた優しい歌声が、なめちゃんのピアノによってさらにふくよかに広がる。
観客が声を出せない状況でも、みんなで配られた楽譜(受け取ってもらえるようにポケットティッシュに仕込まれていた)を見ながらエア合唱をした「旅立ちの後に」を経て、第二部ラストを飾ったのは代表曲「WAGAMAMA BANANA」だ。サビのアッパーなメロディが客席全体を巻き込んで高揚感を生み出していった。その後、鳴り止まない手拍子に応えて三度ステージに登場したメンバー。なめちゃんの流麗なピアノによる「忙しい人は飛ばしてください」をバックに「ラブソングをお聴きいただきたいと思います」としょーりん。当然ミニアルバム同様、映画主題歌の「今すぐアナタを愛したい」にいく……かと思いきや、始まったのは昭和感バリバリのハイテンション歌謡ポップス「今よりアナタに愛されたい」だ。大袈裟なオーケストラヒットやドラマチックなサックス、過剰な掛け声が、一瞬しっとりしかけた空気を塗り替えてみせる。
そんな1曲を終え、改めて2021年を振り返る7人。その流れで、今後の予定も告知される。2月1日リリース、A.B.C-Zのベストアルバム『BEST OF A.B.C-Z』に収録される塚田僚一のソロ曲をウルトラ寿司ふぁいやーが提供、編曲や演奏も担当しているということ、そして4月10日に次のワンマンライブを開催するということ(WWW Xでの『廻らない極寿司炎本店 今なら”売れる前から知ってた”と言え鱒』)、そしてそのワンマンライブに初見の人に来てもらうためにその名も「ねずみ講チケット」というペアチケットのシステムを導入したことを発表すると、客席からは何度も拍手が送られた。
上記のようにすでにさまざまなことが動き出しているウルトラ寿司ふぁいやーの2022年。Jぺいが新曲も作るし、衣装も変えたい(この日も着ていたシャツは洗濯のしすぎでものすごく縮んでしまったらしい)、と意気込みを口にしつつ、最後はお待ちかねの「今すぐアナタを愛したい」(Jぺいによる『CDTV』の曲振りVTR再現あり)、そして「Everybody Say」で大団円。曲を終えると観客との記念撮影まで行って、ネタも音楽もてんこ盛り、お腹いっぱいのワンマンライブは終わったのだった。