ウルトラ寿司ふぁいやー、“ネタも音楽もてんこ盛り”魅力満載の渋谷WWWワンマン

ウルトラ寿司ふぁいやー、渋谷WWWワンマンレポ

 映画『私はいったい、何と闘っているのか』主題歌を表題曲としたミニアルバム『今すぐアナタを愛したい』を12月15日にリリース、年明け早々1月1日の早朝には『CDTVスペシャル!年越しプレミアムライブ2021→2022』にてTV初パフォーマンスと、目眩く怒涛の展開で知名度を高めつつある現在のウルトラ寿司ふぁいやー。タイアップに挑戦したり、新たなラジオ番組をスタートしたり、といった2021年の活動が早くも実を結びつつあるわけだが、そんな最中に開催されたのがこの久しぶりのワンマンライブ『廻る極寿司炎 6貫目「おすしはいったい、何と闘っているのか」』である。映画に便乗する気満々のタイトルはさておき、渋谷WWWを舞台に展開したパフォーマンスは、彼ららしいユーモアも、幅広い音楽性を具現化するミュージシャンシップも、そして笑いの中に織り交ぜた熱いメッセージも、つまりはウルトラ寿司ふぁいやーというバンドの魅力を余すところなく伝えるものだった。

 開演時間、オープニングのナレーションが鳴り渡る。ステージ上には寄席で見る「めくり」が置かれている。ここにこの日の演目が出るらしい。そんなわけで幕開けを飾ったのは予想外の「なめちゃんワンマンピアノリサイタル」だ。ステージの結構なスペースを占領しているグランドピアノの前にジャケット姿のなめちゃん(Key/Cho)が座り、美しいフレーズを奏で出す。CBCラジオの天気予報のテーマとなっているインスト曲「Sunny Side Bed」だ。時折客席に目を向けながら弾き終えると、オーディエンスからは大きな拍手。その拍手が、なめちゃんのガイドに従って手拍子に変わっていく。「このまま先輩方を呼ばなければ僕のワンマンライブなんですけど」と言いつつ、「仕方ないので先輩方を呼ぼうと思う」とメンバーを呼び込むなめちゃん。翼(Dr/Cho)、尚也(Ba/Cho)、加部輝(Gt/Cho)、まじくん(Sax/Per/Cho)、Jぺい(Vo)、しょーりん(Vo)の順にステージに7人全員が揃うと、いよいよライブ第一部のスタートだ。

 「全てはエンターテインメント」から、フロアにはシンガロングの代わりの手拍子が鳴り渡る。冒頭を飾ったグランドピアノ(Jぺいは「巻頭グラピア」と呼んでいた)に予算を取られて、スクリーンなどの映像演出はなし(その代わりが例の「めくり」のようだ)、だが、そのぶん7人が鳴らす音とテンション、そしてお客さんとのコンビネーションがエキサイティングな空気を生み出していく。ライブのタイトルにちなんでこの日は「闘い」がテーマ。親子の闘いを歌った「T.C.K.C」では加部の超絶ギターが炸裂し、「恋愛とはいつも勝負でございます」というJぺいの言葉からはRAG FAIR「ラブラブなカップル フリフリでチュー」のカバー、『今すぐアナタを愛したい』から「キャラメルフラペチーノ」、そして「銀座でお寿司」と怒涛の恋愛ソング3連発。客席を巻き込んでの振り付けもばっちり決まり、一体感はさらに高まっていく。

 第一部の最後は「体力との闘い」ということでカロリー消費の多い曲をピックアップ。ハードファンクな「このあとすぐ!!」ではしょーりんのラップからJぺいがリードするポップなサビへの飛距離がものすごい。そして「ボーカル難易度世界一」(Jぺい)という「届かないI LOVE YOU」へ。早口言葉で構成されたサビは確かにカロリー高そうだ。この曲では本来「世界一難しいコール&レスポンス」を展開するのだが、残念ながらまだそれは不可能なご時世。そこでメンバーが早口言葉に挑戦することに。まず前半部分に尚也が挑戦するがあえなく失敗、後半部分に挑戦した加部は半分のスピードでゆっくり言うという反則技で「文句あっか!」と開き直るが、もちろん0点。2人には追ってSNS上で地味な罰ゲームが課されることになった。そして最後はJぺいが自らチャレンジ。さすがは完璧な仕上がりに客席からは一際大きな拍手が送られた。

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